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さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

税務署はここまでチェックする…会社の経費をこっそり私的に使用、税務調査でバレて100万円も追徴課税!

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【調査当日】
 10時に本店所在地に臨場し、雑談をして社長の性格や生活を聞き出します。1時間ほどしてから帳簿を開き、さっそく修繕費関連の書類を確認しました。しかし、300万円ほどの工事にもかかわらず、業者の発行した領収書しかありません。見積書も請求書もないのです。

領収書には、金額と日付と但し書き、工事業者の名前と住所がすべて手書きで記入されていましたが、但し書きの「事務所塗装代金」の筆跡がほかと異なるように見えます。現状を確認するため、当該工事箇所を社長に案内してもらいました。「汚れているから」という理由で渋りましたが、粘り強く説得して確認。案内された場所は、1年以内に工事したようには見えませんでした。

【反面調査】
 工事に対する社長の回答は曖昧でしたが、確かな証拠がなかったため、領収書にあった工事業者に反面調査を行うことにしました。工事業者は初めての反面調査に困惑していましたが、同社の申告内容を否認するものではないことを伝えて、協力を得ることができました。

 請求書や見積書には工事場所の住所があり、それは社長の自宅住所でした。請求書、見積書、領収書の控えのコピーを取り、お礼を言って帰りました。

【社長への確認】
 後日、社長を呼び出し、反面調査で得たコピーを提示、領収書控えと、領収書を並べると、但し書きが異なっていました。領収書は代金を払った側が受け取るもの、領収書控えは代金を受け取った側に残ります。

 社長曰く「3期連続の納税となったので、所得を圧縮するために自宅の塗装工事費を法人の経費として計上した」とのことでした。自宅住所の書かれている工事業者が発行した請求書、見積書は破棄し、領収書の但し書き欄には事務所工事であるように記入して、仮装していました。不正を行っていたことで重加算税の対象となり、追徴税額は本税、重加算税、延滞税を合わせて100万円を超えました。

 みなさんは、反面調査があることを忘れずに、正しい申告をお願いします。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
 大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。12月14日、処女作が発売される。『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)。

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