
結婚情報サービス「ゼクシィ」から生まれた2つのサービスが人気を集めている。総合婚活サービス「ゼクシィ縁結び」と恋活アプリ「ゼクシィ恋結び」だ。
生涯未婚率が過去最高を記録するなか、これらのようなマッチングサービスを利用して結婚する人が増えている。リクルートブライダル総研の「婚活実態調査2017」によると、16年に結婚した人の11.3%が婚活サービスで相手を見つけているのだ。
リクルートマーケティングパートナーズ執行役員の貝瀬雄一氏は、この数字について「20年には20%まで高まるのでは」と語る。マッチングサービスの進化と利用者の実態について、貝瀬氏に話を聞いた。
未婚の20代男女、5割以上が「交際経験なし」
――婚活においては、男女ともに「出会いが少ない」という声があります。実態はどうなのでしょうか。
貝瀬雄一氏(以下、貝瀬) 50歳まで一度も結婚したことがない人の割合を表す生涯未婚率は、2000年以降に高まっています。15年の国勢調査では男性23.37%、女性14.06%で、ともに過去最高でした。
主な理由は、単純に「出会いがない」というもの。現在、未婚男女のなかで「お付き合いを一度もしたことがない」という方が約28%います。20代に限れば50%以上となっており、特に若者で顕著です。
――その理由は、なんなのでしょうか。
貝瀬 若者たちの間でコミュニティが分散化して小さくなっているからではないでしょうか。上の世代では、「出会いの場」として「職場」や「大学のサークル」が多かったのですが、若者たちには「そこでは波風を立てたくない」という意識が働いているようです。
職場は飲み会が減少してコミュニティが希薄化しています。同じく、大学のサークルも昔のようにベタベタした関係ではなくドライなつながりになっています。
そして、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の発達により、5人くらいの小さな規模のコミュニティがたくさん生まれるようになりました。そのなかで異性のパートナーを見つけるのは難しい。また、そこで出会って別れると、コミュニティを壊してしまうことにもつながります。
若者のなかには「彼氏・彼女がいなくても別にいいです。毎日楽しい」という感覚で生きている人も少なくありません。「リスクを冒してまでコミュニティの空気を悪くしたくない」というのが、今の若者の生き方です。
昔は「結婚適齢期には結婚しなければならない」という共通認識がありました。しかし、今は価値観としてもライフスタイルとしても「結婚しなければいけない」という意識が過去に比べてなくなった。そうした変化が大きいでしょう。
そこで、新しい出会いの場として弊社が提供しているのが「ゼクシィ縁結び」や「ゼクシィ恋結び」などのマッチングサービスなのです。
――マッチングサービスを活用した結婚は、年々増えています。
貝瀬 アメリカでは、すでにネットのマッチングサービスでパートナーを探すという文化が根付いています。早晩、日本もそのようになっていくでしょう。16年に結婚した人の11.3%が婚活サービスでパートナーを見つけていますが、この数字は20年には20%まで上がると考えています。