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石徹白未亜「ネット依存社会の実態」

スマホ依存を無理なく改善する画期的方法

文・構成=石徹白未亜/ライター
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――「可視化」は、何を「見える化」するのでしょうか。

長谷川 「タイマーロック3」は、ユーザが事前に決めた時間、スマホを利用できなくする仕組みです。そこで、それまでユーザ自身が設定してスマホを制限できた時間を「時間貯金箱」として、貯金箱の絵と共に表示するようにしました。

スマホ依存を無理なく改善する画期的方法の画像2タイマーロック3画像『ゲーミフィケーションを用いたスマホ依存抑制のための画面ロックアプリケーション』より

 また、「タイマーロック3」は利用制限中に使いたくなってしまったときは100円を課金する仕組みですが、「課金の累計額」も表示させるようにしました。

――今まで貯めた時間は、「これまでがんばってきた軌跡」ですね。課金額は、0円の人なら「キープしよう」と思いますし、課金の多い人では「もう課金はまずい」という抑止が期待できますね。

長谷川 はい。実験では、「時間貯金箱」や「課金の累計額」を表示させるグループと表示させないグループに分け、その行動を比較しました。

総課金額が表示されたほうが課金率が上がる?

――実験の結果は、いかがでしたか?

長谷川 有意(統計上、偶然とは考えにくいもの)な差が得られたもののなかに、「時間貯金箱の表示があるほうが、ないほうよりもロックを行った回数が約1.3倍多かった」という結果がありました。

――「今まで、これだけの時間スマホを見ずに済んでいた」という情報を可視化することは、抑止に効果ありだったんですね。

長谷川 はい。しかし、「時間貯金箱の表示があるほうが、1週間後もロックを継続できているか」については、有意な差が得られませんでした。

――「今まで、これだけの時間スマホを見ずに済んでいた」というのは、最初の数日はやる気につながり、さらなる「タイマーロック3」による“節ネット”が進むものの、いずれその効果にも飽きがきてしまうと。

長谷川 現状ではロック時に貯金箱を表示するだけなので、継続することに楽しさを見いだすような仕組みの開発も、今後の課題です。ただ、実は今進めている分析によって、継続率は年齢層によって傾向が異なる可能性を確認しています。今後の発表に期待していてください。

 一方、意外な結果として、「総課金額が表示されているグループのほうが、そうでないグループより課金率が1.9倍高い」というものがありました。

――意外ですね、今までにいくら課金したかを見たら、もう課金したくなくなるように思えます。

長谷川 「一度課金したから、また課金していいか」と課金のハードルが下がってしまった可能性も考えられます。

――「0」と「1」の間に大きな差があって、一度「1」になってしまうと、それが「10」や「100」になることへの抵抗は弱まるのかもしれませんね。

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