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高橋篤史「経済禁忌録」

セクハラ創業者と対立で揺れる一部上場企業で、新たな重大トラブル発覚

文=高橋篤史/ジャーナリスト

重大なセクハラ問題

 ここまで対立劇がこじれているのは山口氏の現職時代の振る舞いが理由だ。重大なセクハラ行為があったのかどうか、それが焦点となっている。関係者によれば、山口氏自身はJPホールディングスの経営に復帰する考えはないと周囲に話しているという。しかし、現経営陣はそう考えていない。しかも、女性の多い職場にとってセクハラ行為は経営上大きな影響を及ぼしかねない問題だけに、強い拒絶反応を示しているようだ。

 複数の関係者によれば、両者間で焦点となっている重大なセクハラ問題とは、特定の女性社員に対する特定行為にまつわるものだという。山口氏が社長を辞任した際、その理由は「体調不良による入院」とされたが、実際にはこのセクハラ問題が最大の要因だった。山口氏の辞任後、JPホールディングスは秘密裏に調査委員会を設け、4カ月近くにわたり真相究明の調査まで行っていた。

 臨時株主総会請求後の10月中旬、会社側は改めて弁護士による第三者委員会を設置、セクハラ問題全般に関する調査を委嘱した。臨時総会直前に公表された要点版の報告書は山口氏について「セクシュアルハラスメントと評価される行為があったと評価せざるを得ない」とし、さらにパワー・ハラスメント行為も存在したとし、「違法性を帯びた行為であると評価せざるを得ない」と結論づけている。もっとも、現経営陣についても「疑われる行為」や「該当しうる行為」があったという。

 これらに対し、山口氏は第三者委員会は現経営陣による恣意的なものであり重大なセクハラ行為はなかったと反発、11月17日付で会社側を名誉毀損で民事提訴したとのリリースを公表している。今回のセクハラ問題はプライバシーも関わるだけに公表事実が少なくどうしても隔靴掻痒の感が否めないが、今後、訴訟のなかでシロクロがある程度はっきりするに違いない。

取引先持株会をめぐるトラブル

 さて、そうした一方、見落としてはならないのが、取引先持株会の株が宙に浮いている問題だ。

 この問題が公になったのは11月中旬、山口氏側によるリリースにおいてだった。その大本となったのは「ジェイ・ピー取引先持株会」で理事長を務めていた守屋八潮建設(埼玉県秩父市)による経過説明である。それによると、守屋八潮建設と取引先持株会の事務局を務める会社側との間では半年余りにわたる次のようなトラブルが起きていた。

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11:30更新
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