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東芝、海外ファンド勢のマネーゲームの道具化

文=編集部
東芝、海外ファンド勢のマネーゲームの道具化の画像1ラゾーナ川崎東芝ビル(「Wikipedia」より)

 儲けのにおいをかぎつけて群がる投資ファンドを、別名「ハゲタカファンド」と呼ぶ。屍臭漂う東芝は、ハゲタカにとってはまたとない獲物だ。東芝の第三者割当増資に、世界で荒稼ぎするハゲタカの面々が集結した。

 東芝は6000億円の巨額増資に踏み切り、12月5日に第三者割当増資を完了した。資金調達を担った主幹事は、米投資銀行大手のゴールドマン・サックス。ゴールドマンは、発行する株式すべてを海外のファンド60社に割り当て、200億円弱の手数料を得る。日本の投資家はまったく参加していない。1株当たりの発行価格は262円80銭となっている。

 東芝が公表した「第三者割当による新株式の発行に関するお知らせ」は83ページに及ぶ。そこにはアクティビスト(物言う株主)を中心とした強面ファンドが名を連ねる。

 今回の増資で最大の3.2億株(増資全体の14.0%)を引き受けたのは、シンガポールのエフィッシモ・キャピタル・マネジメント。1株262円80銭で計算すると、出資額は840億円に上る。出資比率は9.89%から11.34%に高まり、筆頭株主の地位を維持した。

 エフィッシモは旧村上ファンドの幹部だった高坂卓志氏ら3人が設立した資産運用会社。米国の基金をはじめとする欧米の機関投資家から運用を受託している。日産車体、テーオーシー、東京鐵鋼、ハピネット、ジャパンディスプレイ、TASAKI、ユーシン、鳥居薬品、日東紡績、近畿車輛、第一生命ホールディングス、大阪製鐵、三井金属エンジニアリング、川崎汽船、リコー、ヤマダ電機、セゾン情報システムズなどに投資してきた。

 現在、もっとも注目を浴びているのは、エフィッシモが筆頭株主になった川崎汽船だ。2016年の株主総会で村上英三社長の取締役再任に反対。かろうじて可決される事態となり、会社側は胆を冷やした。それに懲りて、経営陣はエフィッシモの高坂卓志代表と面談。17年の総会でエフィッシモは社長の再任に賛成した。

 エフィッシモは今年3月、東芝の株式8.14%を保有する大株主として登場。その後、9.89%まで買い増した。さらに今回、第三者割当増資を引き受け、11.34%を保有する、文字通りの大株主となった。

BusinessJournal編集部

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