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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

CIAとFBIがケネディを暗殺したのか

文=筈井利人/経済ジャーナリスト

 ケネディの後を継いだジョンソン新大統領は直属の調査委員会を設置し、事件を徹底的に調べると発表した。委員会は責任者に任命されたウォーレン最高裁長官の名前を取って、ウォーレン委員会と呼ばれる。他に6人の委員で構成された。

 驚いたことに、委員の1人に前中央情報局(CIA)長官、アレン・ダレスがいた。ダレスは長官時代、軍部とともにキューバのピッグス湾への侵攻作戦をケネディに進言。ところが作戦は完全な失敗に終わり、激怒したケネディからクビにされた因縁がある。

 そんな委員のいるウォーレン委員会が、公平で厳密な調査を行うとは考えにくい。実際、発表された報告書は分量こそ膨大だったが、中身には不審な点が多くあり、批判にさらされる。

2つの不審点

 不審点を詳しく紹介する余裕はないので、2点だけ挙げよう。ひとつは発射された銃弾の数だ。ケネディ自身と、同じ車で大統領の前に座り重傷を負ったテキサス州のコナリー知事は、ともに3カ所の傷があった。常識では6発の銃弾が発射されたと考えるだろう。

 だがウォーレン委員会の見解は違った。オズワルドが発射したとされる2発のうちの1発がケネディの右後頭部に命中、もう1発がケネディの右背中→喉→コナリーの背中から胸に貫通→右手首を貫通→左大腿部に到達。そう結論したのだ。

 ところが当日の車の列をザプルーダーという男性が8ミリカメラで撮影していた。1967年に初めて公開されたこの映像によると、ケネディとコナリーの銃弾に対する反応に明確な時間差があった。委員会のいう「2人に1発」説が成り立つには、銃弾は一度2人の間で休止しなければならない。物理的にありえないことだ。

 2つめの謎は大統領の傷の状況だ。ダラスの病院で確認された傷は、喉に銃弾の入り口の傷、右耳後ろに直径5センチほどの銃弾による傷の2つだった。

 ところがワシントンのベセスダ海軍病院で行われた検視では、右背中から喉に貫通する傷があり、頭頂部にも大きな傷があったという。ダラスでは確認されていない右背中の傷の存在自体が不思議だが、それ以上に奇妙なのは、銃弾の入り口と出口の形状は容易に判別できるほど異なるものなのに、ダラスの病院で入り口とされた喉の傷が検視では出口とされ、銃弾の方向が変わってしまったことだ。

筈井利人/経済ジャーナリスト

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