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筈井利人「陰謀論を笑うな!」

CIAとFBIがケネディを暗殺したのか

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 さらに頭の傷だ。ダラスでは後頭部に小さな傷が確認されていただけだったのに、検視ではこの傷が頭の頂点に移動し、しかもその部分の頭蓋骨の大半を紛失させてしまうような大きな傷になっていた。

 傷の相違はなぜ生じたのか、詳しい調査が必要なはずだった。しかし委員会はダラスを無視して検視だけを重視した。

 さて、以上のようにウォーレン委員会の報告書には不審点が多いため、米国ではオズワルド単独犯行説への疑問が根強い。これまでCIA、米連邦捜査局(FBI)、マフィア、軍部、ジョンソン大統領などさまざまな人物や組織が陰謀の首謀者として議論となってきた。

「陰謀なんてあるはずがない」と思うかもしれない。しかし多くの機密文書が明らかにされつつある現在、陰謀があったとする見方は決して非常識なものではない。

陰謀の存在は明らか?

 今年7~9月、NHKはラジオ第2放送の教養番組『カルチャーラジオ』で『ケネディと日本』を放送した。講師は城西国際大学教授の土田宏氏。米国政治、とくにケネディ研究では日本有数の専門家で、『ケネディ――「神話」と実像』(中公新書)など多数の著書がある。

 番組で土田氏はケネディ暗殺の経緯や謎に触れた後、陰謀の可能性について次のように言及する。

「大統領暗殺を計画するとなると、真犯人隠匿のためにオズワルドという『囮』を用意する、銃弾の方向を隠し、銃弾そのものを証拠物件にしないために遺体を変造する――ということまでを計画に組み込み、実施できる『力』が必要になる」(番組テキストより引用。以下同じ)

 そしてこう断言する。

「遺体の傷の状態がダラスとワシントンで大きく異なっていた点こそが、陰謀の存在を明らかにしているのだ」

 いかがだろうか。専門家が公共放送で明言するくらい、ケネディ暗殺の陰謀は現実性のある話なのだ。もちろん、陰謀の決定的証拠はまだない。土田氏も首謀者を名指しはしていない。それでも「マフィアには絶対にできないことだ」と断じたうえで、「検視が海軍病院だったことを考えると、海軍の、それも相当に地位の高い者が陰にいると推測することはできる」と踏み込んでいる。

 10月に公開された約2800件の機密文書のなかで、ダレスCIA長官と同じくケネディと対立し、更迭されかけていたジョン・エドガー・フーバーFBI長官のメモが注目された。移送中のオズワルドがルビーに射殺された1963年11月24日、フーバー長官はこう指示した。

「オズワルドが真犯人だと国民に信じさせなければならない」

 10月にはCIAとFBIからの要請で、トランプ大統領は一部文書の公開を見送った。残りの非公開文書については、180日以内に改めて機密保持が必要かどうかを検討するという。真相が闇に葬られず、白日の下にさらされることを期待したい。
(文=筈井利人/経済ジャーナリスト)

●参照文献(英文のみ。ほかは本文に記載)
J. Edgar Hoover: “Need To Convince Public That Oswald Is Real Assassin”, Zero Hedge
http://www.zerohedge.com/news/2017-10-27/jfk-files-show-hoover-urged-need-convince-public-oswald-real-assassin

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