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限界まで「虫」を食べることに挑戦してみた

文=田端萌子/サイエンスライター

 焼きあがったコオロギクッキーとバッタパウダークッキー、どちらも桜エビを炙ったような、それでいて甘い香りがたつ。コオロギクッキーは、見た目はチョコチップクッキーのようで、クッキーの生地とサクッとしたコオロギの食感と味のメリハリが楽しめる。一方バッタパウダークッキーは、見た目は一般的なクッキーと変わりないため昆虫料理ビギナーにオススメだ。味は、桜エビクッキーといったところか。

勇気を出して食べてみれば意外に美味しい

 
 今回の参加者は、昆虫食は初めてという人がほとんどだった。筆者のように虫嫌いの人もいたかもしれないが、最終的には全員が昆虫食を楽しんでいた。自分たちの手で料理をすると、虫に対する恐怖よりも味に対する好奇心が優って、口に運びやすくなるのかもしれない。初めは「毛虫の顔がこっち見てる、気持ち悪い」と箸で掴むのもやっとだったのが、味わってみると「何これ、美味しい」という驚きが生まれ、箸が進んだ。今回食べた昆虫たちは桜餅や鰹節、桜エビなど、今までに味わったことのあるものと似ていて馴染みやすく、決して得体の知れない不気味な味ではなかった。

 バッタ会の本来の活動内容は、バッタを捕獲して処理し、料理して味わう、というものだが、今回は悪天候のため急遽昆虫料理を楽しむ会に変更となった。バッタ会の主催者である食用昆虫科学研究会の水野壮氏は、昆虫を捕らえて味わう楽しみ方を「プチジビエ」と呼んでいる。イノシシや鹿など害獣とされる動物を銃で狩って美味しく頂くジビエに対して、虫取り網を片手に誰でも手軽にできるという意味と獲物のサイズから「プチ」をつけた。プチジビエの魅力は、(初心者にとっては)昆虫を食べるスリルやその味ももちろんだが、自分で食材を捕って料理し食すプロセスにある、と水野氏は考えている。

 どの虫がどんな味なのかを知りたい人は食用昆虫科学研究会のHPを参考にしてみてはいかがだろうか。バッタからカブトムシ、トンボまでさまざまな種類の虫の味と適した調理法を紹介している。また虫パスタや缶詰が手軽に買える通販サイトもある。あなたがその気にさえなれば、昆虫食への扉は開かれているのだ。
(文=田端萌子/サイエンスライター)

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