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なぜ青森県人は短寿命?男性は滋賀より3年も平均寿命短く

文=山田稔/ジャーナリスト
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総合的な暮らしやすさが平均寿命を延ばす

 厚労省のデータを基に体格や生活習慣と寿命の関係をみてみたが、ある程度の相関関係はうかがえるものの、これといった決め手はなかなか見つけにくい。

 長時間労働との関係はどうか調べてみた。厚労省の毎月勤労統計調査(平成27年/事業所規模30人以上)によると、総実労働時間の全国平均は1カ月で148.7時間。

 男性の平均寿命上位グループでみると、滋賀(148.0時間)、京都(141.7時間)、奈良(141.0時間)、神奈川(145.1時間)の4県が平均以下。長野だけが152.9時間で上回っている。一方の平均寿命下位グループは、鹿児島が下回っただけで、青森(157.8時間)、岩手(157.3時間)、秋田(151.3時間)、和歌山(149.8時間)の4県が平均を上回り長時間傾向にある。長時間労働の影響も考慮したほうがよさそうだ。

 一連のデータで目立つのは、滋賀県の数値がことごとく良いということだ。

 BMIは男性こそ平均水準だが、女性は22.1と全国で4番目に低い。食塩摂取量は、男性が全国5番目の低さ、女性は7番目の低さである。喫煙率は全国で最も低い。1日当たりの歩数では男性が17位、女性が4位となっている。旅行・行楽の年間行動者率は全国1位(79.0%)、スポーツの年間行動者率全国2位(67.9%)といったデータ(総務省の社会生活基本調査)もある。一戸建住宅の増加率も9.9%で全国1位(住宅・土地統計調査=総務省)だ。

 滋賀県は東京大学大学院医学系研究科の渋谷健司教授らがまとめた「日本の都道府県別の疾病負荷研究(1990~2015年)」の調査結果でも平均寿命84.7歳(2015年)で長野県を抜いてトップになっている。

 滋賀県の健康寿命推進課の担当者は、こう受け止めている。

「県内19市町が、ボランティアの健康推進員さんたちと地域ぐるみで食生活改善や検診率アップの取り組みを行ってきた結果だと思います。琵琶湖をはじめとした恵まれた自然環境の中で、県民の皆さんがスポーツや旅行などで積極的に体を動かされていることも関係しているのかもしれません」

 食生活をはじめとする生活習慣はもちろんだが、日常生活を取り巻く環境のよさ、暮らしやすさが長寿につながっているのである。
(文=山田稔/ジャーナリスト)

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