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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

一部の市販おせち料理は危険? 黄金色の数の子や真っ赤な酢だこ、発がん性の指摘も

文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト

 さらに、祝い肴三種のひとつである黒豆にも注意しなければならない点があります。それは、市販の黒豆の中には、添加物の硫酸第一鉄を使っている製品があることです。原材料名に「硫酸第一鉄」と表示されているのでわかります。

 硫酸第一鉄は黒豆の黒い色を際立たせるために添加されていますが、毒性が強く、ラットに体重1kg当たり0.319gを経口投与したところ、半数が死亡しました。ヒト推定致死量は20~30gです。
 
これまでに、硫酸第一鉄を摂取して人が死亡した例があり、この際には激しい腸管刺激、虚脱、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青くなること)が見られました。黒豆を加工する際に加えられる量は0.02~0.03%と少量ですが、できれば摂取しないようにしたほうがよいでしょう。

 スーパーなどには、フジッコの「おまめさん 北海道黒豆」や「おまめさん 丹波黒」などのように硫酸第一鉄が使われていない製品が売られています。重曹(炭酸水素ナトリウム)が使われていますが、これは毒性が弱く、添加物として微量使われている分には問題ないと考えられるので、こうした製品を選ぶとよいと思います。

 それから最近では、ローストビーフをおせち料理に使う人も増えてきましたが、その代役として使えるのが、パストラミビーフです。これは、牛肉を燻製にして、保存性を高めたものです。

 しかし、市販のパストラミビーフには発色剤の亜硝酸Na(ナトリウム)が使われているので要注意です。亜硝酸Naは、ハムやソーセージにも使われているもので、毒性が強く、さらに肉類に含まれるアミンという物質と結合して、発がん性のあるニトロソアミン類に変化します。

 WHO(世界保健機関)の外部組織であるIARC(国際がん研究機関)は2015年10月、「ハムやソーセージなどの加工肉を1日に50g食べると、結腸がんや直腸がんになるリスクが18%高まる」と発表しました。これは、ニトロソアミン類が原因していると考えられます。

 したがって、パストラミビーフは避けたほうがよいでしょう。ちなみに、ローストビーフの場合、牛肉を蒸し焼きにしたもので、市販の製品でも通常亜硝酸Naは使われていないので、こちらを選んだほうが無難です。

 市販の食材を買い求めて、自分なりにおせち料理を盛り付けるのは、なかなか楽しいものです。また、おせち料理セットを買うよりも経済的です。ただその際には、できるだけ危険性の高い添加物を含まない食材を選ぶように心がけてください。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

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