「契約などの関係で、1年目からメジャーでプレーする可能性はもちろんあります。現在も能力そのものは高いですから、なんとかやれてしまう。しばらくは活躍すると思います。しかし、経験が不足しているから、それは行き当たりばったりの結果でしかありません。

 一方、若いうちにマイナーで経験を積んでおくと、マイナーとメジャーの選手の能力の違いや自分の立ち位置をしっかりと把握することができます。また、経験があれば次に起こり得るプレーや結果をコントロールできるようになる。それはつまり、ゲームを支配するということですよね」(同)

 年齢による体力の低下を技術や経験でカバーする。いわゆる“ベテランの味”だ。そうした部分を培わないまま年齢を重ねると、30歳を超えてパフォーマンスが落ちたときに“引き出し”が不足してしまう事態に陥るというわけだ。

「今のマイナーのシステムは素晴らしいですよ。選手の状態をしっかりと把握して、メジャーとの間で情報共有などもきっちりやっています。それに、施設も食事もしっかりしています。それを見ずに、ひと昔前の経験だけで『マイナーの環境はひどい』と言う人が後を絶たないから、日本では誤解されているのです。10年前と比べて、どの球団も格段に良くなっていますよ。だから、最低1年はマイナーでみっちりやってほしいと思っています。

 まだ23歳ですから、経験が不足しているといっても十分間に合います。とにかく、大谷はものが違う。大きな故障さえしなければ、近い将来、間違いなく世界にその名を知らしめる選手になるはずです。そのくらい突き抜けてほしいですね」(同)

 日本人メジャーリーガーといえば、パイオニアとして活躍した野茂英雄や、10月で44歳となった17年もバリバリのプレーを見せたイチローが世界に衝撃を与えた。果たして、大谷はそういった存在になることができるのだろうか。その答えがわかるのは、実際にエンゼルスの一員としてグラウンドに立ってからだ。
(文=キビタキビオ/ライター、編集者)

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