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中曽根陽子の教育最前線

大学入試、2020年より「生きる力」問う形態へ大転換…従来の授業では対応不可

文=中曽根陽子/教育ジャーナリスト
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 しかし、大学入試が変われば、高校も予備校も一斉にその対策に動き出します。これが、今回のセンター試験廃止が「高大接続による教育改革」といわれるゆえんです。

 また、今回の施行調査では、「探究活動」を題材にした設問も多く出されていました。
これは、20年から順次施行される小中高の新学習指導要領でも重視されていることで、探究型の学びを定着させていこうという狙いも感じられます。

 新学習指導要領は、小学校が20年から全面実施され、21年に中学で、22年に高校で順次実施されます。新学習指導要領で学んだ高校生が卒業する25年から、大学入学共通テストもそれに対応した内容になる予定です。

小中学校ですでに育成が始まっている、21世紀型能力とは

 実は、こうした思考力や表現力を測る問題は、中学受験の適性検査型入試・思考力入試などですでに実施されています。新学習指導要領が目指しているのは、生きる力=21世紀型能力の育成ですが、中学受験の問題は、これを先取りしているともいえるでしょう。

 しかし、21世紀型能力の理解は一般には浸透していないようです。簡単に解説すると、国立教育政策研究所が13年に整理して発表した、これからの社会で求められる資質や能力を定義したものです。

 図にあるように、「基礎力・思考力・実践力」の3層構造になっていて、土台となるのが基礎力です。公立小学校でも、一部タブレット型端末を使った授業が始まっていますが、数量スキルや読解スキルに加えて、情報スキルが加わったのが特徴で、これからはICT(情報通信)を使いこなすスキルは欠かせないということです。

 さらに、思考力を育てることが重要視されています。ここでいう思考力とは、一人ひとりが自分の考えを持ちながら他の人と話し合い、考えを比較しながらまとめ、より良い答えや新しいアイデアを考え出す、さらに次に学ぶべきことを見つける力までが含まれており、さまざまな課題を解決するための中心となる能力です。最後に必要なのが、考えたことを他人と協力しながら実行する力、つまり実践力です。

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23:30更新
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