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渡邉哲也「よくわかる経済のしくみ」

北朝鮮、今月8日にミサイル発射か…米中、軍事攻撃に向け具体的作戦の協議開始

文=渡邉哲也/経済評論家

 アメリカの利上げは世界経済のゆくえに大きな影響を与えるため、そうなれば世界的な金利上昇と新興国からの資金引き揚げなどの動きにつながる可能性が高い。また、今年は欧州中央銀行(ECB)も金融緩和の縮小に動く予定だ。

 日本においては、株価や有効求人倍率を見る限り景気動向は改善傾向にあるものの、デフレからの脱却はまだ途上だ。19年には消費税増税が予定されているため、量的緩和を継続したいところだが、他国からの反対圧力が高まる恐れがある。

北朝鮮、1月8日に再びミサイル発射の可能性

 今年も北朝鮮情勢が国際社会の喫緊の課題であることには変わりない。特に、今年前半には核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備が完了するとされており、それを阻止したいアメリカが軍事オプションを採るか否かが注目されている。

 また、1月8日は金正恩朝鮮労働党委員長の誕生日であり、その前後に北朝鮮が再び弾道ミサイル発射などの軍事挑発に出る可能性がある。その後も、朝鮮人民軍の創建記念日(2月8日)や故金正日総書記の誕生日(2月16日)などがあり、記念日を重視する北朝鮮の動向が注視される。3月には米韓合同軍事演習が行われる予定で、北朝鮮が反発することが必至だ。

 あくまで対話路線を貫く中国も、実はアメリカの軍事行動を想定しているようだ。習政権は昨夏の時点で、北朝鮮との国境地帯に最大50万人を収容できる難民キャンプの設営に着手していたことが明らかになった。また、駐留軍向けの居住施設を増設していることも確認されている。

 朝鮮半島有事が勃発した際、中国の懸念は北朝鮮からの難民が国境を越えて自国に流入することだ。そのため、難民キャンプと軍駐留施設の建設は米朝間の軍事衝突に向けた具体的な準備といえる。

 また、アメリカのレックス・ティラーソン国務長官は、「有事の際の難民対策や核兵器の管理について、すでに中国と協議した」「米軍が38度線を越えて北朝鮮に侵攻した場合、条件次第で撤退することを中国に確約した」と発言しており、すでに米中間で戦争に向けたすり合わせが行われたことを示唆している。

 一方、中国は北朝鮮問題を隠れ蓑にするかたちで、南シナ海の実効支配を進めている。昨年12月には、中国政府系サイトの「南シナ海の島嶼の面積はさらに拡大し、関連設備の配置ニーズはより満たされる」という見解が報じられ、世界から非難されている「南シナ海の軍事拠点化」を初めて認める姿勢を示した。ある意味で開き直りながら、今後も人工島建設を進めていくということだろう。

 いずれにせよ、今年も連携が取れた日米と暴発リスクのある中朝が世界情勢のカギを握るという構図が続きそうだ。
(文=渡邉哲也/経済評論家)

渡邉哲也/経済評論家

渡邉哲也/経済評論家

作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務し独立。複数の企業を経営、内外の政治経済のリサーチや分析に定評があり、政策立案の支援、雑誌の企画監修、テレビ出演等幅広く活動しベストセラー多数、専門は国際経済から金融、経済安全保障まで多岐にわたり、100作以上の著作を刊行している。

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Twitter:@daitojimari

『日中開戦2018 朝鮮半島の先にある危機』 今後の安倍政権の課題だが、まずは北朝鮮の問題、そしてその後には安全保障上の問題として中国の問題がある。中国では、10月の共産党全国大会で、習近平体制がますます磐石なものとなった。そして先祖返り的に「新時代の中国の特色ある社会主義」が推し進められようとしている。今後は、政治的にも経済的にも中国との間にますます軋轢が増えるだろう。そういう意味では、すでに日中間の戦争が始まっているともいえる。 世界各国でも、ナショナリズムを掲げる政党が躍進しており、まさに冷戦時代へ巻き戻った。このような世界の大きな流れを踏まえた上で、あらゆる角度から日本と中国の現状を分析することで、戦争の可能性について探っている。 amazon_associate_logo.jpg

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