NEW

リニア工事はゼネコン談合なければ破綻する…危機迎える建設業界と東大工学部人脈

構成=長井雄一朗/ライター
【この記事のキーワード】

, ,


 竹和会ですらこの有様ですので、大成建設、清水建設、大林組、鹿島建設傘下の専門工事会社の団結力も同様に低下しました。ゼネコンと専門工事会社との関係の変化でいえば、この点で、この十数年間により団結が失われたのです。その結果、工事現場のラベルは各ゼネコン名を冠にしていても、実際に作業する作業員はエリアごとに混在するようになったのです。詳しく言うと、ある時は鹿島建設で、別の時は大林組からの仕事を請け負う専門工事会社や作業員が増えたということです。

――建設業は一品生産が基本ですが、製造業とずいぶん違う面もありますね。

森山 これが自動車メーカーであれば、系列の工場、部品メーカーなどを集約して製造します。トヨタ自動車と日産自動車の工場が実は同じですという話はありえないのですが、建設業でいえば、現場で働いている人は各ゼネコンにまたがっているのです。ここに、受注調整が生じる下地があるのです。そこで公共工事を一般競争入札で請け負っても末端系列は同じですから、専門工事会社を含めた各ゼネコン軍団同士で戦争するのではなく、今ある仕事をどのようにこなしていくかという点に、シフトしていっているのでしょう。実は建設好況に沸きつつも水面下で建設業界は危機を迎えようとしています。

建設業界、生産力破綻の危機

――その危機とはなんですか。

森山 私の知り合いの専門工事会社、工務店などの経営者が「この建設好況は3年ほど続くだろうが、それが終わったら休廃業しようと考えている。苦労も多い仕事なのでせがれには継がせない」という方が多いのです。そして、建設技能労働者は今後10年にわたり、約110万人離職するとの試算を日本建設業連合会(日建連)が発表しています。考えられることは、建設業における生産力は現状よりもさらに厳しくなり、生産力が破綻しかねない状況が待っているということです。

――解決方法は?

森山 エリアごとの公共工事で優先順位をつける政治家の登場が必須です。建設業を理解している政治家が、これだけ工事があれば、ゼネコンも請けきれないだろうと判断できる政治家が、どの工事を先に進めるかの優先順位を付けて、建設工事全体のプロジェクトを進捗させるべきです。

RANKING
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合