
毎年大みそか恒例のテレビ番組『NHK紅白歌合戦』が昨年も放送され、第2部の平均視聴率が39.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。一昨年は2年ぶりに40%台に盛り返していたが、再び30%台に落ちる格好となった。
「一昨年と比較すると番組全体の出来に対する評価も良く、さらに一昨年は数字的にもV字回復していたため高い数字が期待されていましたが、蓋を開けてみれば『紅白』としては歴代ワースト3位の爆死。もはや『紅白』がその内容の良し悪しで数字が上下するというわけではなく、多くの日本人が“『紅白』を見る”という行動から離れてしまったと分析できます。かつて『紅白』は、“広い世代から支持される歌手を、大みそかに家族揃って見る”というかたちで、当然のように視聴率50%台をマークしていた。しかし今は、世代間どころか個人間で音楽の趣味や好みのアーティストが細分化しており、若いアイドルや年配の演歌歌手が“ごちゃ混ぜ状態”で出てくる『紅白』は視聴者にストレスを与え、もはや番組の構成的に限界に来ているといえるでしょう」(テレビ局関係者)
そんな“『紅白』の限界”について、別のテレビ局関係者が語る。
「『紅白』のメイン視聴者層は50代以上で、特に高齢層になるほど毎年『紅白』を欠かさず見る人が多いという印象ですが、実はそんな高齢層のなかでも“『紅白』への興味を失っているものの、惰性で見ている”という人が増えています。その大きな理由は『知らない歌手ばかり出てくる』というものですが、こうした人々が徐々に『紅白』を見なくなれば、今回『紅白』裏番組としては視聴率トップの『絶対に笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系)に数年後には逆転されてもおかしくないでしょう」
また、今回の『紅白』低迷の別の要因について、同テレビ局関係者が解説する。
「一昨年の『紅白』は数字的には盛り返しましたが、そのポンコツぶりが話題になるほどの相葉雅紀(嵐)の司会のせいで進行がグデグデで、さらに前後のつながりを無視するかたちで下らないコント調の寸劇などが無理やり詰め込まれたこともあり、全体の流れ的に違和感が際立つ放送となってしまった。業界内では“史上最悪の『紅白』”ともいわれたほどの出来でしたが、その回を見て“もう『紅白』は見ない”となった視聴者が多かったことも、今回の数字に影響しているのではないでしょうか。
『紅白』はこれまで“国民的番組”ということで、数千人のスタッフが携わり巨額の制作費が投入されてきましたが、その原資は国民から徴収される受信料です。ここまで“日本人の『紅白』離れ”が進んだ今、『紅白』に巨額の受信料が投入されることに批判の声が広がる可能性もあるのでしょう」
『紅白』が岐路に立っている。
(文=編集部)