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韓国、最大級の経済疑獄事件…企業トップや大統領が逮捕、平昌五輪やミサイル配備も絡み

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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韓国、最大級の経済疑獄事件…企業トップや大統領が逮捕、平昌五輪やミサイル配備も絡みの画像1第2ロッテワールドタワー(「Wikipedia」より/Chronus)

 巨額の報酬を親族に不法に支給したなどとして横領や背任の罪に問われている韓国ロッテグループ会長の重光昭夫(韓国名・辛東彬=シン・ドンビン)被告に対し、ソウル中央地裁は昨年12月22日、懲役1年8カ月(求刑は懲役10年)、執行猶予2年の判決を言い渡した。

 同じく在宅起訴されていた創業者の重光武雄(同・辛格浩=シン・ギョクホ)被告にも懲役4年と35億ウォンの罰金判決が下りたが、武雄氏は高齢で健康がすぐれないとして、裁判所により刑の執行は停止された。

 また武雄被告の長男で日本の中核企業ロッテホールディングス(HD)元副会長の重光宏之(同・辛東主=シン・ドンジュ)被告は無罪、長女でロッテ奨学財団理事長の辛英子(同・辛英子=シン・ヨンジャ)被告は懲役2年の判決が下りている。

 昭夫氏は1955年2月14日、武雄氏の次男として誕生。松濤幼稚園、青山学院初等科を経て青山学院大学経済学部に入学した。その後、80年からは米コロンビア大学大学院でMBA(経営修士号)を取得し、野村證券に入社、ロンドン支店で6年間勤務した。

 85年には大成建設元会長、淡河義正氏の長女と結婚。88年にロッテ商事に入社し、96年には湖南石油の常務理事として韓国ロッテの経営に関わるようになる。その後、韓国ロッテの副会長を経て2011年に韓国ロッテ会長に就任した。さらに14年年末には当時ロッテHD副会長だった宏之氏を解職、クーデターを起こしロッテHDの実権を握った。

「昭夫氏の肝煎りで進めた中国事業の損失が明らかになれば、身内に厳しい武雄さんは昭夫さんに厳しい処分を下す。それを恐れて昭夫さんは思い切った暴挙に出たのではないか」(ロッテグループに詳しい関係者)

 15年7月には昭夫氏はロッテHD代表取締役に就任。武雄氏のロッテHDの代表権まで取り上げ名誉会長にしたことで、実質的にロッテグループ全体のトップに立った。

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 だが、皮肉にもトップに登り詰めたそのとき、昭夫氏の足元は崩れ始めていた。ソウル中央地検がある会社の強制捜査をすると、そこから「韓国ロッテグループの裏金に関する資料が出てきた」(同社に詳しい事情通)からだ。ソウル中央地検は16年6月から240人以上の捜査員を投入、韓国史上でも最大級の経済事件に発展した。さらにその捜査の過程で、多くの疑惑が浮上したが、なかでもソウル中央地検が狙っていたのは李明博(イ・ミョンパク)元大統領に対する第2ロッテワールドタワー建設に関連する贈収賄疑惑だったという。

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