「もともと事業がうまくいかずに一昨年までに1兆ウォンの損失が出ていたが、そこに追い討ちがかけられたかたちで、営業停止を受けてから昨年1年間だけでも同額の損失が出ている。だからTHAAD配備による中国からの厳しい政策を口実に、もともと損失が垂れ流しだった中国のロッテマートをタイのCPグループへ6000億ウォンで売却しようとしていました」(韓国事情通)

揺らぐロッテグループ

 しかし、この計画も中国政府に凍結され身動きが取れない。さらに韓国ロッテグループがTHAAD配備の土地を提供することが合意された2カ月後の昨年4月17日、朴氏と崔氏、それにサムスンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長が贈収賄容疑で逮捕され、昭夫氏も70億ウォンの贈賄容疑で再び在宅起訴されている。

 そうした厳しい状況のなかで昭夫氏の弁護団は「スポンサーやスキー連盟会長として平昌五輪に尽力していることを強調し、裁判の中で減刑を求めようとしていました」(事情通)という。結果的には10年の懲役が1.8年まで減刑され、狙い通りになったといえる。しかし、今月26日には70億ウォンの贈賄容疑の判決も控えている。

 贈収賄罪容疑で失脚した朴氏に代わり大統領に就任した文氏は、「法律家は庶民を助けるべきだ」という思いから大手法律事務所を断り、釜山で活動していた盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の弁護士事務所に入所した。盧氏が大統領選に出馬したときには選挙対策本部長、大統領に就任してからも大統領の民情首席秘書官として盧氏を陰になり日向になり支えてきた。その盧氏を追い落としたのが、韓国ロッテと蜜月関係にあった李氏だ。

「李氏は昭夫氏とは盟友。大統領になる前はホテルロッテのなかに事務所があったくらいだ。文大統領は恨み骨髄に徹するという思いがあるではないでしょうか。訪米の随行団にも、ロッテ関係者は入れてもらえなかった」(韓国事情通)

 日韓にまたがるロッテグループのトップに君臨する昭夫氏が有罪判決を受けたことで、ロッテグループは今後どうなっていくのか。ロッテHDは「いまだ判決内容の詳細を確認できておりませんが、確認でき次第、適切に対応します」(同社広報室)という。

 果たしてロッテがどのような選択をするのか注目したい。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ