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トイアンナ「私は言いたい」

なぜクリスマスは全然盛り上がらなくなったのか?

トイアンナ/ライター、性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事
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 もともと交際相手のいない男女が増加しているなか、さらにクリスマス・パーティーのインドア化が加速。家族はもともと家でクリスマスを楽しむ傾向にありますから、街中でクリスマスを感じることが減ったのも自然の成り行きでしょう。そろそろ「若者のクリスマス離れ」などというフレーズが広がりかねません。

見栄や「空気を読む」ことから生まれた消費の埋め合わせ

 数十年前の日本人は「流行している、みんな買っているなら自分も……」と、トレンドに敏感な面を持っていました。その結果、「みんなが買っているものを買いたい、けれど自分はちょっとだけ高価なものがよい」と見栄も相まって高額なプレゼントを購入したり、派手な外食への出費を惜しみませんでした。当時の好景気に支えられていた面がありつつも、お金のない若者まで背伸びをした購買をしやすい土壌があったのです。

 それを「よかった」と言いたいわけではありませんが、国民が一斉に同じものを買うことで景気が牽引されていたのは否定できません。しかし現代は「流行っている」だけではモノが売れなくなりました。「恋人がいるからといって、高級品をプレゼントしなくていい」「予約の取れないフレンチへ行くばかりが正解じゃない」時代になったのです。

 トレンドに呼応するなら、小売も「クリスマスだから」と高額なプレゼントを広告に出すのは時代遅れかもしれません。特に「モノ」より独自の経験に価値を見出す「コト」消費がもてはやされるなか、プレゼントという考え方自体が古くなっているともいえるでしょう。カップル消費が下火になるなか、どのようにして来年以降の売上を下支えするか。企業の年末商戦をめぐる中長期戦略が問われます。
(トイアンナ/ライター、性暴力防止団体「サバイバーズ・リソース」理事)

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