ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 大塚家具、囁かれるXデイ  > 2ページ目
NEW

大塚家具、囁かれるXデイ…資金ショート寸前、加速度的売上減で2期連続大赤字

文=編集部

 似鳥昭雄会長は「次は40期連続の増収増益を達成したい」と述べている。22年に売上高1兆円、1000店舗の目標を掲げる。

 だが、新設住宅着工戸数は減少が続き、インターネット通販との競争も激しい。家具業界の先行きは明るくない。

 そんななかで、コストパフォーマンスが高い商品が若者に人気のニトリは、銀座や新宿、渋谷、池袋など都心部への出店を強化。大阪ではシャープの旧本社ビルを買収した跡地に、19年夏に大型店舗をオープンする予定だ。2018年もニトリの快進撃が続きそうだ。

父親に経営権を戻すか、大手に身売りするかの二者択一?

 対照的に、大塚家具は業績下落が止まらない。17年12月期の通期決算の売上高は前期比7.5%減の428億円、営業損益は43億円の赤字(前期は45億円の赤字)、最終損益も63億円の赤字(同45億円の赤字)と2期連続の大赤字に沈む。創業者の大塚勝久元会長を“排除”した長女の大塚久美子社長は崖っぷちに立たされた。

 大塚家具は17年11月6日、貸し会議室運営のティーケーピー(TKP)との資本業務提携を発表した。大塚家具は第三者割当でTKPに発行済み株式数の6.82%(議決権ベース)の自己株式を譲渡。TKPは11月21日付で、大塚家具が持つ自己株式129万株を1株815円、計10億5000万円で買い、第3位の大株主となった。

 資金繰りが緊急の課題だ。現金・預金の残高は、勝久氏が実権を握っていた14年12月期決算期末は115億円あったが、久美子社長時代になるとどんどん減っていった。それでも15年12月末には109億円あったが、16年同月末には38億円に激減。17年9月末には20億円にまで減った。

 このままでは資金ショートを引き起こしかねない。窮余の一策がTKPとの資本提携で、10億円の資金を調達した。この資金を大塚家具は運転資金に充てる。

 有明本社ショールーム(店舗面積2万4673平米)、横浜みなとみらいショールーム(同1万9500平米)、大阪南港ショールーム(同2万2242平米)など、1万平米を超える大型店の低迷が不振の原因である。

 店舗売り上げは、感謝フェアを行った特別月以外は前年同月割れが続く。17年10月の店舗売り上げは前年同月比28%減、11月は11%減と落ち込みに歯止めがかからない状態だ。

 久美子社長は会見で、「一番重荷だったのが不動産」と語っている。有明本社や大阪南港を大幅に減床するなど1万平米級の店を減らし、3000~7000平米クラスの店を増やす計画を掲げる。また、店舗の空きスペースをTKPに貸すことで安定した賃料を得ることを狙う。

 それほど大塚家具が追い込まれているということだ。

 株主が問題視するのは配当政策である。15年の親子対立による委任状争奪戦(プロキシーファイト)の際、久美子社長は「3年間は配当80円」と株主に高い配当を約束し、賛成を取り付けた。しかし、17年12月期の年間配当は40円に減配する予定で、いわば株主への公約違反だ。株主総会で経営責任を追及される可能性が高い。

 株式市場では「父親に経営権を戻すか、大手に身売りするかの二者択一」との観測が飛び交う。18年の大塚家具が辿る道は真っ暗闇だ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

大塚家具、囁かれるXデイ…資金ショート寸前、加速度的売上減で2期連続大赤字のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!