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はれのひ、被害総額2億円超で詐欺罪で立件も…「第2のはれのひ」が出る可能性

文=石丸かずみ/ノンフィクションライター
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1年前に代金を完納…独特の商習慣が招いた悲劇

 この2家族とも、成人式の2年前にははれのひを訪れている。どんなコースがあるのか、オプションはどうなっているのか……などの説明を受け、契約して入金しているのだ。つまり、入金自体が成人式の1年以上前ということになる。

「少しでも早く契約をして、少しでも早く入金を済ませれば、特典がついたり値引きされたりするのです。『同じことをやるなら、少しでも安いほうがいい』と考えてしまったのですが、それがこの事態を招いたんでしょうね」(Bさんの母親)

 商品・サービスを提供する1年以上も前に代金だけを完納する。そんな商取引は、一般的には見かけない。それだけ、はれのひは悪質だったのだろうか。実は、そうでもないようだ。ほかの業者と契約した人たちも、契約からの流れはほとんど一緒なのである。違いは「当日に晴れ着が手元にあったかどうか」だけだ。

 また、契約書らしきものに関しても、契約者へのキャンセル時の返金などの対応は書かれているが、クーリングオフについては記載されていないケースが多い。商取引としては大きな疑問が残るが、この業界ではまかり通っているようだ。

 流れは、大まかに次のようになっている。まず、高校3年生の娘がいる家に振り袖レンタル業者や写真スタジオからダイレクトメール(DM)などの案内が届く。ほとんどの場合、「早く準備をすると、それだけ選択肢が増える」といった煽り文句で女性たちの心を揺さぶる。そして、「早い契約+早い支払いで、特典を付けて割引もします」とダメ押しするのだ。

 そして、選んだ振り袖を着て事前に記念写真を撮る「前撮り」があり、そこで初めて仕立て上がりの実物を見ることになる。レンタルの場合は、成人式の当日にそれを着るというわけだ。

 特典や割引を受けるために料金を早めに完納したところで、商品・サービスを受け取れるのは半年から1年後だ。極論だが、コンビニエンスストアにおにぎりを買いに行ったら置いてなく、「絶対に手に入れたいのであれば予約が必要」「今すぐに代金を支払ってくれれば100円を90円にしますよ」と言われるようなものである。そして、そのおにぎりが手元に来るのは半年から1年後だ。

 なぜ、一般の商品では行われないような取引がまかり通っているのか。手元に届いているDMを見る限り、はれのひが特別だったわけではなく、契約の条件などは横並びである。そのため、その時点で「はれのひだけがおかしい」とは思わないだろう。この点は、業界全体で見直すべき問題ではないだろうか。

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