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安倍首相に逆らった森友・籠池氏は6カ月間勾留、不正払い下げの財務省職員は栄転

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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 不当逮捕の怖れがある容疑者を、猛暑の夏から厳寒の冬まで半年も拘置所に拘置しているのである。自由に発言し森友問題の裏が明かされるとまずいということで拘留を続けているとしたら、これはもう国家権力による弾圧といえる。

 一方、森友問題で当時払い下げの承認権限を持つ財務省理財局長だった佐川宣寿氏は国税庁長官に就任し、当時財務省事務次官だった田中一穂氏は政府系金融機関の日本政策金融公庫総裁に就任している。すでに、森友問題は、会計検査院が財務省による格安払い下げの根拠について「根拠不十分」「不適切」と報告し、新たな局面に入った。何人もの官僚たちが法令に違反し不当に処分を行っていたことが、特別国会での会計検査院院長の答弁でも明らかになった。関与した財務省、国交省の官僚たちの行為は、財政法9条「国の財産を適正な対価なく、譲渡・貸付を行ってはならない」に違反する行為であることも、指摘されている。

 ところが、これら官僚たちを訴えた告発状(背任罪と公用文書毀棄罪)は、東京地検特捜部で受理され、大阪地検特捜部に移送されているはずが、捜査や逮捕の動きはいまだ聞こえてこない。結局、安倍首相に逆らう者は逮捕し、恭順を示すものは恩賞にあずかるという不公平な采配に検察自体が加担し、放置しているようにみえる。森友問題を捜査する大阪地検特捜部は、籠池夫妻を拘置所に閉じ込め、不正関与の官僚たちは家族と共に正月を祝う。巨悪を許さない検察特捜部の存在すら問われる事態になっている。

なぜ大阪地検は事件解明の協力者、籠池氏を逮捕したのか

 森友問題の捜査は、籠池氏を逮捕すれば道が開けるのであろうか。格安払い下げの権限は、財務省や国交省の官僚にあり、一民間人である籠池氏が左右できるものではない。籠池氏が企て要請したとしても、なぜ籠池氏に財務省、国交省の官僚たちが従い、ただ同然の払い下げが実現したのか。安倍昭恵氏が、森友学園が設立する小学校の名誉校長であったことや安倍首相の存在なくして実現するはずはない。

 市民団体は、東京地検特捜部に以下の2点を訴える告発状を提出していた。

(1)背任罪の訴え:国有地払い下げの根拠となっていた2万トンの埋設ごみは、各種資料から考えて存在せず、埋設ごみを理由とする鑑定価格の9割引き、金額でいうと8億円の値引きは、国家財政を損なうものであり、なおかつ2万トンの埋設ごみがないことを官僚たちは知っていた。

(2)公用文書毀棄罪の訴え:森友関連の交渉経過を示す文書記録が廃棄され、また契約文書に関する資料なども廃棄されたとして公表されなかった。

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