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起業を考える人にとって「お金」の悩みは尽きないもの。
開業資金はいくらかかるか。起業のための借金はどうすればいいか。商品やサービスの価格はどう決めるか。そんなことを考えているうちに、起業時期がどんどん後ろ倒しになってしまっている人もいるのではないか。
『ゼロからいくらでも生み出せる!起業1年目のお金の教科書』(かんき出版刊)の著者で、3万人以上の起業家にノウハウや考え方を伝授してきた今井孝氏は、「お金の恐怖が消えれば、ビジネスや人生でのかなりの問題が解消する」という。
お金は感情に大きな影響を与えるものであり、お金に対する不安があれば冷静な判断ができなくなる。だからこそ、適切で冷静なお金との関わり方を知れば、不安なくビジネスに邁進することができるというわけだ。そこで、本書から起業するなら知っておきたい「お金」に対する考え方と付き合い方を紹介していこう。
■起業家はお金を「単なる数字」だと考える
「お金を使うのが怖くてチャンスを逃す」「値段を上げられず、安く請け負ってしまう」などのお金にまつわる恐怖心や不安はビジネス上の決断に大きく影響する。
今井氏は「お金がいくらあるか」よりも「お金にどのくらい恐怖心を持っているか」ということのほうがビジネスに対する影響が多いと語る。たとえビジネスが上手く回っていても、その恐怖心があるといずれは判断を誤りやすい。
銀行口座から毎月お金が減っていくとき、必要な投資をするとき、大きな儲け話を聞いたとき。そうした状況でいくらまでなら平静でいられて、いくらを超えると怖くなってしまうのか。起業を考えるなら、まずはお金に対する自分の恐怖心の度合いを知ることが大切だ。
また、起業しても冷静に判断ができる人は、お金を「単なる数字」だと認識しているという。ゼロから起業を始めると、どうしても普段の生活の感覚でお金を捉えてしまうものだが、ビジネスにまつわるお金は別のものだと考えるようにすれば、お金に振り回されることもなくなるだろう。
■お金がなくても「今できる準備」をしよう
起業を考えるとき「お金がなければ何もできない」と思い込んでいる人は多いが、著者によれば、お金がゼロでもできることはあるという。
たとえば、「カフェをやりたいけれど、お金がない」という人がいたとしよう。そこに今すぐ1千万円の資金を提供してくれる人が現れたらどうするか。そのお金でさっそく店舗を借りにいくだろうか? 多くの人はどこにお店を出すかを決めていないと答えるだろう。しかし、お金がなくてもお店を出す場所を考えたり、他店のリサーチをしたり、土日だけ飲食店で修行するといったことはできるはずだ。
起業して上手くいく人ほど、「資金や人が揃ったらこうする」という計画を立てているものだ。綿密な計画を立てていれば「ぜひお金を出したい」と言う人も出てくるかもしれない。
だから、まずはお金がなくてもできることを考えることから始める。すると、意外に多くのことが「お金がなくてもできること」だと気付けるだろう。
■価格は「相場」だけでは決まらない
起業して商品やサービスを提供する立場になれば、価格を決めなければいけない。
そのとき「相場」を調べることは大切だが、「相場」だけで価格を決めないことも大切だと今井氏は説く。なぜなら価格の妥当性は、払う側が決めることだからだ。