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山田まさる「一緒に考えよう! 超PR的マーケティング講座」

隠れた大人気商品「茅乃舎だし」の先鋭的経営…六本木の店舗がワンダーランドだ

文=山田まさる/インテグレートCOO、コムデックス代表取締役社長

 茅乃舎のだしをベースにしたつゆやたれ、ドレッシングなども充実している。それらを使った料理の試食もできる。店内を物色していると、おすすめ上手な店員さんがもうひとり現れて、「茅乃舎のだしでつくった、しゃぶしゃぶでございま~す。ご試食いかがでしょうか~」。少し甲高い声で店内を巡回している。これは食べずにはいられない。「だししゃぶ鍋」でつくった豚しゃぶ、「ぽん酢」や「ドレッシング」で和えた野菜をどんどん試食。

 ちなみに、茅乃舎では基本的にすべての店舗で商品の味見ができるよう用意されており、試飲・試食が盛んに行われている。この日は「だししゃぶ鍋」(鍋つゆ)と「極みだし」、「昆布だし」を購入して店舗見学は終了。

 買い物を楽しんだ後は、隣接するイートインのお店「汁や」へ。席につくと、ウェルカムドリンクならぬ“ウェルカムだし”が出てくる。この日は「昆布だし」がお出迎え。それから九州の豚汁セットをいただき、豚汁とかしわ飯に高菜、福岡の味に大満足。だし一本で勝負する、茅乃舎ブランドの真骨頂を体感できた。

隠れた大人気商品「茅乃舎だし」の先鋭的経営…六本木の店舗がワンダーランドだの画像2「汁や」

SPA型ブランド

 さて、冒頭のSPA型の店舗とは、自社ブランドに特化して、商品企画から製造、販売までを一貫して行う業態のことである。SPAは“specialty store retailer of private label apparel”の略称で、apparelとある通り、米国でGAPが最初に提唱した概念だ。日本ではユニクロがその代表格として有名である。素材の調達から商品の企画開発、製造、物流、在庫管理、店舗企画運営など、すべてを自社でやる。顧客ニーズを直接キャッチできるので無駄やロスが最小化され、付加価値の高い商品を低価格で提供できるというメリットがある半面、すべてを自社で担うノウハウが求められる。当然、負担もリスクも大きい。

 ちょっと変わったところでは、メガネ業界のJINSやZoffなども、このSPA型の手法で一気に頭角を現した。ちなみに、ユニクロのフリースの大ヒットが1998年、JINSやZoff の出店は2001年であるから、約20年の間にこの業態は、アパレルはもちろんのこと、雑貨、インテリア、メガネなどにも広まってきたといえる。

山田まさる

山田まさる

株式会社インテグレートCOO、株式会社コムデックス代表取締役社長

1965年 大阪府生まれ。1988年 早稲田大学第一文学部卒業。1992年 株式会社コムデックス入社。1997年 常務取締役、2002年 取締役副社長就任。2003年 藤田康人(現・株式会社インテグレートCEO)とB2B2C戦略の立案に着手。2005年 食物繊維の新コンセプト「ファイバー・デトックス」を仕掛け、第2次ファイバー・ブームを巻き起こした。同キャンペーンは、日本PRアワードグランプリ・キャンペーン部門賞を受賞。2007年5月、IMC(Integrated Marketing Communication)を実践する日本初のプランニングブティックとして、株式会社インテグレートを設立、COOに就任。2008年 株式会社コムデックス 代表取締役社長に就任。同年「魚鱗癬」啓発活動にて日本PRアワードグランプリ・日常広報部門最優秀賞受賞。著書に『スープを売りたければ、パンを売れ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『統合知~“ややこしい問題”を解決するためのコミュニケーション~』(講談社)、『脱広告・超PR』(ダイヤモンド社)がある。


株式会社インテグレート

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