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ソフトバンク、高い経営リスクへの警戒広まる…新施策の収益化が困難

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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省人化技術というチャンス

 
 足許で、わが国の設備投資は高水準で推移している。背景には、少子高齢化が進んできたため人手の確保が難しくなっていることがある。わが国の人口問題は世界的に見ても深刻だ。中国などでも少子高齢化の問題が深刻化している。ハイテク技術を生かし、社会全体で省人化を実現することは、わが国だけの問題ではない。

 それを解決する技術を開発することは、わが国の競争力を高めることにつながる。他国が簡単には真似できないような競争力がないと、国内経済は海外の景気動向頼みになってしまう。それでは長期的に経済を安定させることは難しい。

 省人化技術の開発と普及を進める上で、ソフトバンクの存在は重要だ。同社の発想に共感し、ハイテク技術を生かした省人化技術の導入などを目指す企業が増えれば、わが国の競争力は大きく変わる可能性がある。

 特に、人手不足で業務の運営が容易ではない企業ほど、省人化技術を取り込む余地は大きい。それはチャンスだ。代表例が物流業界だ。すでにヤマト運輸は自動運転技術の実験を進めている。そうした企業は、ソフトバンクのような異業種の企業と提携することで、従来にはなかった発想やテクノロジーの可能性をより具体的に検討することができるだろう。

 電子商取引が拡大するなか、最終顧客に品物を届けるために物流サービスの重要性は高まっている。自動運転の実用化だけでなく、ドローンを用いて集配センターから最終顧客までの配達を行うことが目指されてもよい。そのためには、電柱を用いた送電システムは適さない。

 新しい取り組みを進めるためには、これまでの常識にとらわれる必要はない。むしろ、固定観念を捨て、新しい発想に基づいてテクノロジーの導入を進め、それに合うように社会インフラの在り方を議論する発想も重要だ。各企業がこれまでにはない新しい発想で省人化技術の導入などの変革を進め、海外でも通用するビジネスモデルを整備することがわが国の成長を支える。そうした取り組みを支えるために、政府が制度改革や規制緩和を行うことも不可欠だ。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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