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天才棋士・羽生善治が見た人工知能の可能性。そして、人間に突きつけられる課題とは

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 倫理の問題はその最たる例だ。

 SF作家アイザック・アシモフのロボット三原則は有名だが、もっと様々なケースに即した細かいルールを定めなければ、現実社会への適応は難しいという。

 例えば、哲学・倫理の命題に「トロッコの問題」というものがある。簡単に言えば、「ある状況下において、5人の人間を犠牲にするか、人の人間を犠牲にするか」という問題だ。これは人によって規範とされる考え方が変わるので、全世界共通の倫理観がない限り答えは出ないだろう。

 また、人工知能は数少ないパターンから物事を判断する「推論」や、ある意図を持って描かれた図や言葉、事柄を判断する「理解」も難しいという。
これらの問題を人工知能が行えるようになるには、まず人間がそれらの物事をどのように捉え、規定するかが必要だ。その意味では人工知能研究は、人間の知性や社会を高みへと導く入り口なのかもしれない。

■人工知能は「人の知性」を問う現象である

 羽生氏は、人工知能はさまざまな領域での可能性を示唆しながら、その発展によって「自分の頭で課題を考えること」や「未知の局面における対応力の低下」を懸念している。

 今後、社会全体として人工知能をまったく使わないという選択肢はないだろう。その状況下では「何が失われるか」を危惧するより、「変わることに対して、いかに対応するか」を考えることが必要だ。

 人間を超える能力を持つ人工知能は、人間の知性についてより深く考える機会であり、知性というものと向き合わざるを得ない一つの現象。そう捉えることができるのではないだろうか。
(ライター/大村佑介)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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