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「便利で安い」アイリスオーヤマ、誰も知らない究極の同族経営…町工場から年商5億円へ

文=編集部
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いつまで株式非公開を貫けるのか

 アイリスは究極の同族経営である。健太郎氏は若い頃に亡くなった長弟を除き他の3人の弟を経営陣に招いた。商社マンだった次弟・富生氏が専務、博士号を持つ技術者の三弟・繁生氏が常務。理系出身の末弟・秀雄氏が取締役だ。兄弟の絆を守るため、株式を公開するつもりはないようだ。

 健太郎氏は16年3月に日本経済新聞で連載した「私の履歴書」に、こう書いた。

「当社は株式を公開していない。何度もお誘いを受けたが、お断りしてきた。私にとって大事なのは、事業内容よりも『創業の理念』がきちんと引き継がれることだ。そのためには血のつながった人間による『株式非公開の同族経営』が一番いいように思われる。(中略)株式公開すれば創業者利益を手にできるのだろう。しかし志を曲げ、自由に指揮できなければ意味がない。トップに大事なのは高い志とそれを実現するリーダーシップだ。株式公開は弊害が大きい。当社の上場は当分ないだろう」

 次期社長の晃弘氏は、97年東北学院高校卒業。米国に留学したが中退。03年にアイリスオーヤマの米国法人に入り海外畑を歩いた。10年にアイリス本体に戻り、開発部長を経て15年から取締役に就き、持ち株会社オーヤマの代表の椅子を父から譲り受けた。

 健太郎氏が晃弘氏に課した目標は、22年にグループ売上高1兆円を達成すること。その成長戦略の柱がLED照明だ。中国のアリババ集団や米アマゾン・ドット・コムなど、ネット通販企業との取引が軸になる。

 経営に携わってきた健太郎氏とその弟たちも世代交代の適齢期を迎えた。売り上げ1兆円の目標を達成するには、資金の確保がポイントになる。株式公開は避けて通れないのではないだろうか。

 株式非公開の「大山個人商店」が岐路に立っていることは間違いない。
(文=編集部)

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