アイカーン氏は企業に積極的に経営改善を要求する「物言う投資家」として知られ、米ゼロックス株の約9.7%保有する筆頭株主。ディーソン氏は約6%を保有。両者合わせると持ち株は15%を超える。米ゼロックスは1906年に創業。コピー機で世界をリードしたがペーパーレス化が進み、需要が伸び悩んで経営が悪化。17年12月期までの3年間で売上高は2割減った。アイカーン氏は経営の立て直しを強く迫っていた。

<両氏は「ゼロックスの『守旧派』の取締役らがわれわれに耳を貸すとはほとんど信頼しておらず、真の改革が今かつてなく必要な理由はそこにある」と訴え、就任してようやく1年となるジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)を直ちに解任することも要求した。55年の歴史を持つゼロックスと富士フイルムの合弁事業契約についても、再交渉あるいは解消を求めた>(同上)

 1月11日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(オンライン版)は、<米ゼロックスと富士フイルムが、ゼロックスの経営権変更を含む(可能性がある)合意を目指して協議中だ>と報じた。この提携拡大の報道を踏まえ、両株主は(富士ゼロックスをめぐる)富士フイルムHDとの合意内容を即時公表するよう求めたという。

 富士ゼロックスでは昨年、海外の販売会社2社で375億円の不正会計が発覚。この問題が米ゼロックスに飛び火して、アイカーン氏は間接的に富士フイルムHDに揺さぶりをかけた格好となった。

「最近起こった富士ゼロックスでの会計スキャンダルを踏まえて、合弁事業の終了、もしくは有利な条件での再交渉をすべきだ」

 アイカーン氏は、こう主張していたという。同氏の真意は、どこにあるのか。アイカーン氏は、ゼロックスが経営破綻したイーストマン・コダックの二の舞になることを懸念しているとされる。コダックは写真フイルムで一時代を築いた米国を代表する名門企業だったが、デジタルカメラの普及への対応が遅れ、12年1月に連邦破産法(日本における民事再生法に相当)を申請した。

 先進国を中心にペーパーレスの動きが加速し、複写機・複合機の成長が鈍化している。米ゼロックスがコダックにならない前に、米ゼロックスを富士フイルムに買収させようとしているとの観測が駆け巡っていた。そして実際、アイカーン氏の主張通りの展開となった。

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