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大塚家具、資金ショートの懸念…現場知らない久美子社長、退職者続出で販売力低下

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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「ポルトローナ・フラウのような海外の高級家具は月の仕入れの量が決まっていて長期契約を結んでいる。商品が売れないので在庫が積み上がっていっている。一方で、リユースで集まった商品は売れないようなものばかり。これをどう処理するのかが大きな問題。修理の要員はリユースに取られ、従来のユーザー向けのアフターケアやサービスも十分に対応できていない」(前出の元社員)

 そんななかでの運転資金の不足は死活問題といえよう。

「商品を売却した代金などが入ってきていますから、みなさんが想像されているほど現金が不足しているということはありません。さらに借り入れでもコミットメントラインは10億円になりましたが、金融機関からは融資確約書をいただいていて、だいたい40億円ぐらいの借り入れができる体制になっています」(大塚家具広報担当者)

 しかし、「雨の日に傘を取り上げ、晴れの日に傘を貸す」のが銀行。大塚家具の思惑通りに融資を受けられるとは考えにくい。

 赤字を続けるなかで、大塚家具の株主資本は16年12月期第三四半期の240億円から17年12月期第三四半期は168億円まで減少している。減少しているといっても168億円の株主資本があり、「これまで無借金経営を続けた大塚家具が、仮に多少銀行借り入れをしたからといってたいした問題ではない」(同)と説明する。

 しかし、大塚家具は無借金企業だといわれているが、実はバランスシートに出てきていない事実上の負債が隠されている。それがオペレーティング・リース取引だ。これは、数年間にわたって支払う賃貸費用などのことだ。主に家賃だが、このなかで解約不能なものにかかる未経過リース料が16年12月期でなんと118億円もあるというのだ。

 いずれにせよ、売り上げ減少に歯止めをかけ、リースによる賃料を圧縮して赤字を脱却するためには、大切な資金を配当で流出させるのではなく、収益構造を変えるための大規模リストラなど身を切る再建策が求められる。久美子社長は大きな決断を迫られている。
(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

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