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渡辺雄二「食にまつわるエトセトラ」

食品業界のタブー、「キャリーオーバー」問題の実態…悪用で添加物非表示が蔓延の恐れ

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昆布エキス、チキンエキスにも添加物使用か

 実際にこんなケースがありました。以前、千葉県内のスーパーで、あるメーカーの生そば製品を手に取り原材料名欄を見ると、「小麦粉、そば粉、食塩、調味酢」とだけあり、添加物は表示されていませんでした。

 筆者は「調味酢」があやしいと感じ、直接メーカーに問い合わせたところ、「調味酢は、りんご酢とアルコールを発酵させてつくった醸造酢で、酸味料と香料が混ぜてあるが、『調味酢』という表示でよいとのことなので、その通りにしている」という答えが返ってきました。

 つまり、酸味料と香料を勝手にキャリーオーバーと判断し、表示していないのです。しかし、調味酢は小麦粉やそば粉などに混ぜているだけなので、実際には酸味料と香料は効果を発揮するほど残っているといえます。

 これはほんの一例ですが、同様のケースはほかにもあると考えられます。たとえば、最近、「昆布エキス」や「チキンエキス」などのエキス類が多くの加工食品に原材料として使われていますが、これらに添加物が使われていて、それが最終食品に残っていないのか、疑わしい製品があります。

 昆布エキスやチキンエキスなどは、通常、昆布やチキンなどをお湯で煮立てて、含有成分をお湯に溶かし出して濃縮したものです。ただし、その際に添加物の調味料や保存料などが使われていた場合、それらのエキスを原材料として使い、最終食品に調味料や保存料が残っていた場合、原材料名欄に「調味料」、あるいは「保存料」と表示しなくてはなりません。

ところが、メーカー側が、「残ったそれらの添加物は微量で効果を発揮しない」と判断すれば、キャリーオーバーということで表示されないことになります。

 原材料にもともと使われていた添加物が、最終食品に効果を発揮するほど残っていたとして、それがきちんと表示されているかどうかについて、消費者が原材料名欄を見て判断するのは至難の業です。しかし、前出の生そば製品のように「あやしい」と感じたら、メーカーのお客様相談室などに問い合わせるとよいと思います。消費者がそうした点に関心を持っていることをメーカー側が知れば、キャリーオーバーを悪用するケースは少しずつ減っていくことでしょう。
(文=渡辺雄二/科学ジャーナリスト)

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