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ディズニーR、顧客満足低下でも値上げ連発で利益&現預金うなぎ上り

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

値上げで利益率が飛躍的に向上

 そうしたなか、TDRは入園者数の抑制とパークの混雑緩和を狙い、16年まで3年連続でパークチケットの値上げを実施した。それが影響してか、15年度と16年度は入園者数がそれぞれ前年度より減少した。16年度は14年度比で4.4%減の3000万人となっている。

 入園者数が減少したことでパークの混雑はある程度緩和したものの、値上げは顧客満足度を低下させた。インターネット上などでは、「チケットが高すぎる」という声があふれかえった。

 14年4月のチケット料金改定時は、大人1日券が6200円から6400円になった。その後、15年4月には6900円に、16年4月には7400円になっている。わずか2年で1200円も上がったのだから、顧客満足度が低下するのも致し方ないだろう。TDRの入園料は、海外のディズニーランドなどと比較して安いこともあり、8000~8500円くらいまで段階的に引き上げられるとの見方もあるが、顧客満足度のさらなる低下や入園者数の持続的な減少を恐れてか、17年は値上げを見送っている。

 値上げは、顧客満足度の低下につながったが、利益率を改善させる効果はあったと考えられるので、経営上は正しい選択だったといえる。大幅に値上げした15、16年度の入園者数がそれぞれ前年度比で減ったなかで、チケット収入は増加し、入園者1人当たり売上高も増加した。つまり、入園者数が減ったことで入園者に対応するためのコストが下がった一方、入園者1人当たりが落とす金額が増えたので利益率が高まったというわけだ。

 オリエンタルランドのテーマパーク事業の売上高営業利益率は向上している。値上げを実施した14、15、16年度はそれぞれ24.7%、23.8%、24.3%と高い数値を記録した。それ以前は、TDR30周年イベントで盛り上がった13年度を除き、長らく20%程度かそれ以下だったことを考えると、値上げ後の営業利益率は飛躍的に高まったといっていいだろう。値上げが利益率の向上に大きく貢献したのだ。

 値上げで利益率が格段に上がったこともあり、最終的な儲けを示す純利益はうなぎ上りとなっている。17年3月期の純利益は前年同期比11.4%増の823億円と大幅な増益となった。17年4〜12月期も前年同期比6.3%増の694億円と順調で、通期では708億円を見込んでいる。

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