ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 中国、物乞いも電子マネーを利用?  > 3ページ目
NEW

中国は物乞いも電子マネー利用?訪日中国人が1日中見ている「微信」とは

構成=長井雄一朗/ライター
【この記事のキーワード】, , , , , ,

――訪日中国人は、何で情報を得ているのでしょか。

ダニエル 中国人がもっとも使っているSNSは「微信」です。月間約10億人も使っています。日本でいうLINEのようなアプリです。日本ではLINEのほうが知名度が高いですが、中国では圧倒的に微信です。

 今、中国はキャッシュレス社会でモバイル決済が主流です。そのため、食事や乗り物から日々の買い物に至るまで、あらゆる支払いに微信の決済サービス「微信支付(ウィーチャットペイ)」が利用されています。笑い話ですが、中国では物乞いですら電子決済に対応しています。もはや、中国人にとってライフスタイルの一部でありインフラなのです。

 訪日中国人は、以前は団体客が多かったですが、今は個人客も増えています。訪日中国人の約7割が事前に微信などで「買い物リスト」を作成し、日本に来たらリストを基に買い物をし、帰国後は微信に感想や買い物情報をアップしています。

 日本人が1日中LINEを見ているように、中国人は1日中微信を見ています。それを利用して販促キャンペーンなどを行うのが、もっとも効果的といえます。

――微信が訪日中国人を取り込む上で重要なことは理解できますが、ハードルが高いのではないでしょうか。

ダニエル 確かに、中国語はわからないし、そもそも仕組みも理解していないでしょうから、日本企業にとってハードルはあります。しかし、少しでも知っていただくために、我々は定期的にセミナーを行ったりお客様向けに勉強会を行ったりしています。

 開設や運用については、コンテンツ作成、広告配信、24時間のリアルタイムチャットなどのサービスを代行します。もっとも大切なのは、来日中のユーザーに向けて発信することです。来日前の宣伝も重要ですが、本当に日本に来るかどうかはわかりません。PRしたい商品やサービスともっとも距離が近いのは、来日中のユーザーです。そのため、来店時に自社ブランドの微信アカウントをフォローしてもらうのがもっとも効果的です。

 目の前のユーザーとの間に接点をつくり、帰国後に日本で買ったモノやサービスを友達に宣伝してもらう。そうした流れをつくることが大切であり、そのための施策を行いましょう。

 確かに訪日中国人の“爆買い”は減少しましたが、トータルでの購買は減っていません。これからはリピーター向けの中長期的戦略が必要になってくるので、微信の活用、さらには台湾人や香港人などに向けてもSNSを活用したCRM(顧客関係管理)施策を考えましょう。

 多くの日本企業にはインバウンド戦略の専門部署や担当者が用意されておらず、必要な予算も確保できてないのが現状です。実際に多くの企業を訪問して聞くと「スポット的な企画しかできていない」ということが多く、すごくもったいない話だと思います。観光立国を目指している日本の企業は、もっと中長期的な目線でインバウンド戦略に取り組むべきだと思います。

中国は物乞いも電子マネー利用?訪日中国人が1日中見ている「微信」とはのページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!