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人気NHK相撲解説者・北の富士、拳銃不法所持で書類送検の過去…相撲協会は「不問」

文=兜森衛
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北の富士は事件後、大活躍

 しかし、2横綱ともに事件の影響なのか夏場所は絶不調。スポーツ新聞に「ピストル問題で動揺?」などと書かれた。場所後、柏戸はすぐに警察に出頭したが、大鵬は左足を骨折したため出頭を延期した。柏戸の供述は以下のようなものだった。

 巡業中にホノルル郊外のスポーツ用品店で、ピストル1丁と実弾200発を2万円で購入。目的は特になく、珍しいものを持ってみたかったという。拳銃はトランクに詰めて持ち帰り、自室ロッカーに隠していたが、警視庁の拳銃摘発を新聞記事で知り怖くなり、付き人に命じて夜、隅田川の大橋から川に投げ捨てさせたというもの。

 大鵬も同じくホノルルで拳銃を購入。自室に隠していたが、やはり持っているのが怖くなり隅田川に捨てたという。警察は磁石を使うなどして捜索したが、拳銃は見つからなかった。そのため、拳銃を本当に捨てたのか、真相は不明のままだ。

 また、九重親方が提出した拳銃1丁と実弾5発は、出羽海部屋の幕内力士北の富士から預かったものだった。北の富士は拳銃をファンから海外土産としてもらったが、怖くなり九重親方に預けていた。北の富士はのちに横綱となり、引退後は九重部屋の親方に就任。現在、NHKの人気相撲解説者として活躍している。

 若羽黒の逮捕ではじまった角界の拳銃不法所持事件。実刑判決で服役したのは若羽黒のみ。九重親方、横綱の大鵬と柏戸、幕内力士の北の富士と豊国の5人が書類送検された。大鵬と柏戸は自発的に名乗り出たことから、罰金3万円の略式起訴ですんだ。

 夏場所終了後、横綱審議委員会が開かれたが、協会が陳謝したこと、両横綱が猛反省していることを考慮し、これだけの事件にもかかわらず“不問”とされた。また、相撲協会も5人を不問とした。現在なら、日馬富士同様に引退、廃業必至の重大事案だったはずである。
(文=兜森衛)

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