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午堂登紀雄「Drivin’ Your Life」

湾岸タワマンと郊外の新興住宅地に、家は買ってはいけない?資産&住環境上のリスク

文=午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 一方、子育てにはなかなかしんどいものがありました。待機児童が多くそもそも保育園に入れない(夫婦ともに自営業なので、どうしても不利になる)。また、交通量が多いうえ公園も少なく、安心して子どもを遊ばせられる環境ではない。教育水準は高く治安も良いエリアでしたが、子どもがまだ小さいうちは不便。

 そこで、子育て重視の期間は郊外のほうが良いと考え、都心から電車で約20分、駅徒歩5分の場所に土地を買って家を建てました。なんとか保育園にも入ることができましたし、近隣は高齢者かサラリーマン世帯がほとんどのため、日中は交通量が少ないから安全。公園もたくさんあり、環境的にも申し分ない。家族での移動には車が必要なためランニングコストは上がりますが、生鮮食料品などの物価は都心よりも安いのでツーペイでしょうか。

 私自身は通勤がありませんが、妻は都内での仕事が多く、電車を利用します。ただ、帰りは始発駅から乗れるので座って帰れます。沿線全体に子育て世帯が多いからなのか、ベビーカーで乗っても迷惑そうな顔をする乗客は少なく、比較的大らかな印象です。

 ただし、比較的新しい新興住宅地なので、街の未来は流動的で資産価値は不透明です。それをカバーするために、以前も本コラムでご紹介した賃貸併用住宅にしました。現状は、家賃収入で住宅ローンの返済がすべて賄え、住居費負担はほぼゼロ(どころかプラス)です。とりあえず「現時点では」という条件付きですが、満足度の高い生活が得られています。

 なお、「住んで良し」の優先順位は、「貸して良し」の下位に位置します。つまり、貸せる物件のなかから、自分が満足できる物件を選ぶ、ということです(もちろん、自分が気に入った物件のなかから、貸せるかどうかで選別する方法でもOKです)。ローンを組んで買うことは、返済リスクを抱えることでもあります。リスクには保険をかけておく必要があり、その保険が「1.」の条件なのです。

3.売って良し

 これは、買ったときの値段と、売ったときの値段の乖離が小さいということです。建物の値段は、古くなれば通常は下がります。場所によっては上がることもありますが、新築信仰が強いうえ人口が減少していく日本では、不動産価格の上昇はあまり期待できません。

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

午堂登紀雄/米国公認会計士、エデュビジョン代表取締役

 1971年、岡山県瀬戸内市牛窓町生まれ。岡山県立岡山城東高等学校(第1期生)、中央大学経済学部国際経済学科卒。米国公認会計士。
 東京都内の会計事務所、コンビニエンスストアのミニストップ本部を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして勤務。
 2006年、不動産仲介を手掛ける株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。2008年、ビジネスパーソンを対象に、「話す」声をつくるためのボイストレーニングスクール「ビジヴォ」を秋葉原に開校。2015年に株式会社エデュビジョンとして法人化。不動産コンサルティングや教育関連事業などを手掛けつつ、個人投資家、ビジネス書作家、講演家としても活動している。

Twitter:@tokiogodo

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