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大王製紙の没落…創業家がカジノ狂いで横領事件、抗争に明け暮れ業界再編に乗り遅れ

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北越紀州製紙が保有する大王製紙株の行方は?

 製紙業界の再編は、北越紀州製紙、大王製紙、三菱製紙によって第三極が結成されるかどうかが焦点だった。その影の主役は三菱商事だ。

 06年7月、王子製紙(当時)が北越製紙(同)に対する株式公開買い付け(TOB)を仕掛けた。三菱商事が北越の第三者割当増資を引き受け、さらに日本製紙グループ本社(同)や大王製紙も北越株を取得。「反王子」で団結し、王子を撃退した。

 11年、大王製紙の創業家出身の井川意高会長(当時)による背任事件が発覚。意高会長はカジノに会社のカネを流用していた。この事件を機に、大王製紙の経営陣は“脱創業家”に舵を切り、意高氏の父親で家庭用紙「エリエール」の生みの親である井川高雄・最高顧問(同)と対立。高雄氏はカジノ狂いの息子が使い込んだカネを、大王製紙株式を売却して尻拭いした。

 12年、北越紀州製紙は創業家が保有する株式を買い取り、大王製紙の筆頭株主となった。06年、北越製紙が王子製紙から買収を仕掛けられたときに高雄氏が支援してくれたことに対して、北越紀州製紙の岸本晳夫社長は恩義を感じていたのだ。

 北越紀州製紙は大王製紙と経営統合して、王子HDや日本製紙に続く業界の第三極を形成したいとの思惑があった。その背後には三菱商事が控えていた。三菱商事は北越紀州製紙の17.5%(17年9月末)を保有する筆頭株主で、三菱グループの三菱製紙には2.6%を出資(同)。さらに、北越紀州製紙は大王製紙の21.2%(同)を握る筆頭株主だ。北越紀州製紙、大王製紙、三菱製紙による第三極構想のシナリオを束ねるのは、三菱商事だったのだ。

 しかし、大王製紙の経営陣は、これを拒否した。格下の北越紀州製紙の軍門に降るつもりはなかった。こうしたことから、北越紀州製紙と大王製紙の対立は延々と続いた。15年には、北越紀州製紙と三菱製紙の販売子会社統合協議が破談。北越紀州製紙は「大王製紙が横槍を入れた」と主張した。両社の抗争にあきれた三菱製紙は、第三極構想から離脱していった。

 大王製紙は北越紀州製紙に三行半を突き付け、17年11月14日には両社の技術提携期限が切れた。今後の焦点は、北越紀州製紙が保有している21.2%の大王製紙株式を、いつ、どこに売却するかだ。大王製紙が自社株を買い取るのか。北越紀州製紙が投資ファンドに売却するのか。

 王子HDの1強体制が強まるなか、第2位の日本製紙はどう動くのかも見どころだ。日本製紙が、北越紀州製紙の持つ大王製紙株を買い取るという選択肢もないわけではない。
(文=編集部)

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