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日本電産、創業45年目で初の社長交代の真相…永守会長、個人で大学工学部創設し人材育成

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 永守氏は車載事業、特にEVを次の成長の柱に位置付けている。車載事業本部長を任された吉本氏は、17年6月の日本電産の株主総会で取締役副社長執行役員に就任した。期待の大きさがわかる。そのため「ポスト永守のトップランナー」(関係者)と評された。いずれにしても、「永守さんは徹底した実績主義者。ロボットやEVなど4つの新技術分野で一番稼いだ人を社長に指名するだろう」(同)とみられていた。

 吉本氏は日商岩井では自動車畑を歩き、カルソニックカンセイや日産自動車のタイの現地法人の経営再建を担ってきた「再建屋」である。

 かねて永守氏は「親族は絶対に会社に入れない」と明言していた。長男の貴樹氏は、東証一部上場で掃除、バス・トイレ、台所用品を製造するレックの社長で、“やり手経営者”と評判だ。次男の知博氏は富士通、米国留学を経て、帰国後に日本電産のグループ会社に勤めたことがあるが、今はベンチャー起業家だ。「親族へのバトンタッチは本当にないのか」との囁きが社内外から出ていたのは事実だ。

社長の椅子は譲っても終身トップ?

「永守氏は、社長の椅子は譲っても、経営権を譲るつもりはさらさらない」というのが、関係者の一致した見方だ。

「永守発言を真に受けたらだめだ。40代に若返るという真意は、『40代なら自分の言うことを聞くだろうし、コントロールしやすい』との発想だ。オーナー経営者は死ぬまで経営に口を出すものだ」(別の外資系証券のアナリスト)

 兜町では「3割業務を譲れば、“永守プレミアム”がそれだけ剥げ落ちる。株価が2万円になっているとするなら6000円分だ」と懸念する。

 米ニューヨーク市場の株の暴落を受けて、日本電産の株価も1万8000円台から1万5000円台に急落した。2月15日の終値は1万6500円。それでも昨年来安値(9713円、4月13日)より7割近く高い。

 株価が高ければ高いほど社長交代が難しくなるといわれていたにもかかわらず、早めに社長交代を決断した。後継者選びに失敗したら、一夜にして日本電産は“普通の会社”になってしまう。「普通の会社になったら、株価の“適温”は1万円以下」といった厳しい見方をするアナリストもいる。

 株式市場は“永守プレミアム”剥落に鋭敏だ。社長交代が発表された後の最初の取引となった2月16日、日本電産の株価は565円安の1万5935円と急落した。日経平均株価は255円高だったため、日本電産の大幅安が一層、目を引いた。

 永守氏はハイテク企業のトップのなかでもっとも株価を気にする経営者としても知られている。初めての社長交代は、吉と出るのか。吉本氏は難しいカジ取りを迫られることになりそうだ。
(文=編集部)

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