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野村HDの最新金融商品、一夜で96%暴落…上場廃止、投資家は大損

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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野村HDの最新金融商品、一夜で96%暴落…上場廃止、投資家は大損の画像1野村ホールディングス本社(「Wikipedia」より/Lombroso)

 2018年1月、戦後最長の好景気達成を前に兜町は沸いていた。4日の大発会では日経平均株価の終値が2万3506円を記録し、前年の大納会に比べ741円高と、大発会の上昇率としては1996年以来の大きさとなった。

 翌5日の経済3団体の新年祝賀パーティーで安倍晋三首相は、「相場の格言に、申酉(さるとり)騒ぐ、確かに昨年は酉年、騒がしい年でありましたが、戌(いぬ)笑う、と言います。昨日は結構戌笑う雰囲気があったのかなと思います」とコメント。高株価に大きな期待を寄せていた。

 ところが2月5日の日経平均株価は前週末比2.5%(592円)安の2万2682円と大幅に下落、翌6日は前日比4.7%(1071円)減の2万1610円の大暴落となった。米国の金利引き上げ観測などが報道されるなかで米国の株式が大暴落、S&P500種株価指数は前週末比4.1%安の2648.94。ダウ工業株30種平均は1175.21ドル(4.6%)下げて24345.75ドルとなったことが引き金になったようだ。

 専門家の間では一時的な調整局面という見通しが有力だが、米国の株価大暴落の波紋は株式市場だけの問題ではない。一夜にして大暴落して姿を消した金融商品もあるからだ。

 その名は「NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN(以下ETN、対象指数は「円換算したS&P500 VIX短期先物インバース日次指数」)だ。2015年3月16日に東京証券取引所に上場、初回発行時の基準価格は1万円だった。18年1月5日には3万9890円まで上昇、その後も3万円台を推移し、2月2日には2万9416円まで下落した。

 しかし問題が表面化するのはここからだ。土日を挟んだ2月5日月曜日には1144円と、前日終値から96.11%下落。この商品は前日終値の20%に相当するか、これを下回った場合、早期償還額の支払いをすることになっている。そのため、翌日には整理銘柄の指定を受け、16日に上場廃止。4月2日から償還されることになっている。償還金額は1144円から手数料などを引いた金額。4万円近くで買った投資家は大損したことになる。

「対象指数の変動率に伴って早期償還する商品も、そうした過去の事例も、ほかにありません。16年のブレグジット(英国の欧州連合離脱)の時ですらそんなことは起こらなかった」(東証関係者)

 東証もただただ驚くばかりだ。なぜこんなことが起こってしまったのか。

欧米では人気の金融商品

 ETN(Exchange Traded Note)とは、「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれる上場商品で、最初のETN「iPath Exchange-Traded Notes」は06年6月12日、バークレイズにより発行され、その後ベアー・スターンズ、ゴールドマン・サックス、スウェーデン輸出信用銀行があとに続いた。

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