社風正反対の2社が業務提携

 ユニー・ファミマHDはドンキHDと2017年8月に資本・業務提携を締結した。同年11月にはドンキHDがユニーの発行済み株式の40%を取得。大口店のほか、5店舗を3月末までにダブルネームの新業態へ転換する方針を示している。

 両社が手を組んだ背景にはGMSの不振がある。食品や衣料品、住関連品など多様な商品を豊富な品ぞろえで展開し、ワンストップで買い物できることを売りにし成長してきたが、ユニクロやニトリといった専門店が台頭したことでその魅力が次第に薄れていき、客離れにつながっていった。

 アピタやピアゴを展開するユニーも例外ではなかった。ユニー(単体)の17年2月期の売上高は前年比2.1%減の7420億円。10年2月期には8246億円あったが、その後は減少傾向にある。直近の17年3〜11月期の売上高も低迷しており、前年同期比4.1%減の5223億円となっている。

 一方、ドンキの業績は好調だ。17年6月期の連結売上高は前年比10.8%増の8287億円、本業の儲けを示す連結営業利益は6.9%増の461億円。ドンキ1号店創業以来、28期連続の増収営業増益を達成している。直近の17年7〜12月期も好調に推移し、連結売上高は前年比10.8%増の4628億円、連結営業利益は11.0%増の292億円となっている。

 ドンキは非食品の品ぞろえや独特の陳列方法に強みを持つ。仕入れや品ぞろえの権限を大幅に店舗に委譲し、店舗主導で売り場をつくる「個店主義」を掲げている。通常の商品に加え、仕入れ先の倉庫へ直接買い付けるなどして掘り出し物も取りそろえ、狭小な売り場空間を商品で満たす「圧縮陳列」の手法を用いて独特な売り場を構築する。それが若者を中心に大いにうけた。

 ドンキは強みの非食品で利益を稼いでいる。その利益を活用して食品の価格競争力を高めて食品を集客の目玉にしていく方針だ。これにより来店客数が増加し売上高も高まる。そして利益が生み出される。生み出された利益をさらに食品に投資する。この一連のサイクルを“ポストGMS”となる新しいビジネスモデルとして確立したい考えだ。

 対するユニーは食品に強みを持つ。商品売上高における食品売上高の割合はユニーの場合70%程度で、ほかのGMSと比べて大きいほうだ。例えば、イオンリテール(50%程度)やイトーヨーカ堂(65%程度)よりも割合は大きい。逆にいうと、非食品の弱さを意味する。割合が小さいし、かつ、売上高の低下も深刻な状況だからだ。

 ユニーとしてはドンキと組むことで弱みの非食品のてこ入れを図り、強みの食品はより一層の充実化を実現したい考えだ。ドンキとしては、ユニーから食品仕入れなどのノウハウを得たい思惑がありそうだ。食品仕入れのノウハウを吸収し、ポストGMSのビジネスモデルに組み込みたいところだろう。

 ひとまず、大口店が誕生したことで両社の提携の船出が始まったわけだが、もちろん勝負はこれからだろう。社風が正反対ともいわれているユニーとドンキ。どのような展開を見せていくのかに関心が集まる。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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