ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 確定申告、泣き落としで還付金受領  > 2ページ目
NEW
さんきゅう倉田「税務調査の与太話」

確定申告、税務署職員にこうやって交渉して「所得0円」認めさせ還付金受領!

文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人
【この記事のキーワード】, , , ,

泣き落としで「所得0円」の申告が通った!

 日本人なら誰もが知っている大手芸能事務所に所属する15年目の芸人Aさんは、税務署へ所得税の確定申告に行きました。1時間ほど並んで、職員の補助を受けながら、収支内訳書を記入します。収入300万円に対し、経費も300万円。所得金額を0円にして、確定申告書Bの記入に移ります。確定申告書Bの記入方法がわからなかったので、手を挙げて職員を呼びました。収支内訳書を確認した20代の職員は、Aさんにこう言います。

「こんなに経費があるはずがありません。生活費はどこから捻出しているんですか」

 これに対し、Aさんは「毎年これでやっているんで」と言うだけ。10分ほど押し問答になりましたが、職員はあきらめて確定申告書Bの作成方法を教えてくれました。Aさんは、出来上がった確定申告書Bと収支内訳書を提出所まで持っていき、収受印をもらおうとしました。そこには、50代前半のベテラン男性職員がいました。

「あなた、これ本当? 収入に対して経費が多すぎるんだけど」

この男性のオーラに気圧されたAさんは、正直に話すことにしたそうです。

「すみません、ほんとに生活厳しくて、ほんと無理なんで、なんとかこれでいかせてください。ほんとに生活苦しくて……」

 Aさんの粘り強い泣き落としにより、ベテラン男性職員は「わかった。今回はいいよ。わたしがちゃんと見たってサインしておくから。でも、来年はちゃんと申告するんだよ」と言ってサインをし、収受印を押してくれたそうです。

「ありがとうございます。来年は必ずちゃんとします」と答えたAさんに、ベテラン男性職員は、優しく微笑んでくれたそうです。

 Aさんは3週間後に還付金を受け取り、その2カ月後に別の税務署の管轄エリアに引っ越しました。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人

大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。著書に『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)、『お金持ちがしない42のこと』(Kindle版)がある。
さんきゅう倉田公式ホームページ

Twitter:@thankyoukurata

確定申告、税務署職員にこうやって交渉して「所得0円」認めさせ還付金受領!のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!