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リコー、危機深まる…将来戦略なき「ひたすらリストラ」、株価はジェットコースター状態

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 2月中旬の株価急落をもたらした米国での減損処理の詳細は明らかになっていない。同社は北米事業などのリストラを進めつつ、採算性を重視した販売戦略を進める方針を示している。ただ、中国と並びデジタル化の先頭を走る米国での事業は、本来強化されなければならないはずだ。取り組むべき強化策よりもリストラを優先せざるを得ない点に、同社の海外戦略の問題がある。

高まるリストラ圧力と経営判断の重要性


 本来、リコーは事務機器事業に集中しすぎた事業ポートフォリオを分散し、かつ従来にはない、新しいビジネス分野の開拓を進めなければならない。しかし、実際には本来あるべき戦略を進めることとは難しいだろう。海外事業の問題が浮上し、コストカットを優先せざるを得ないからだ。その間も、ネットワーク技術を応用した事務作業の省人化やデジタル化は進む。その動きが進む間にリストラを進める分、リコーは競争に遅れる恐れがある。

 リコーが直面する経営環境は厳しさを増すだろう。現状の事業構造のまま収益を確保していくためには、どうしても資産の売却を進める必要性が高まる。それは、東芝の経営再建を見てもよくわかるだろう。すでにリコーは半導体子会社の株式の譲渡、コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス株の売却を行っている。今後も資金捻出のために、保有資産の売却は続く可能性がある。

 なかでも市場参加者が注目するのが、主要子会社であるリコーリースの売却が実施されるか否かだ。リコーリースは医療機器や産業用機器などのリース業務に加え、金融関連にも進出している。見方によっては、リコー以上に事業ポートフォリオは分散され、競争に対応しやすい事業基盤を持っているようにさえ見える。

 それを売却することは、リコーの経営を立て直すうえで大きなマイナスとなりかねない。今後の競争環境に対応するためには、リコーの経営陣が自社の経営資源を活用して新しい分野への進出とシェアの拡大を進めるしかない。そのためには、何が必要な資源であるかを経営の視点から判断していくことの重要性が増す。

 短期的には、資産の売却などのリストラを進め収益を確保することは可能だ。しかし、それは中長期的な成長を目指すこととは異なる。従来にはないビジネスの育成を通して、事業基盤の安定性を高め収益の持続性を実現することができるか、経営判断の重要性は増している。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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