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神戸山口組が新人事発表…「北陸の帝王」の意思を継ぐ組長が四代目山健組に加入

文=沖田臥竜/作家
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神戸山口組が新人事発表…「北陸の帝王」の意思を継ぐ組長が四代目山健組に加入の画像1神戸山口組の定例会が開かれた事務所。取材陣も散見された。

 3月8日、神戸市二宮にある神戸山口組事務所で、神戸山口組が定例会を開催した。昨年末には、警察当局からの取り締まり強化に対応するかたちで、今後、神戸山口組では集会を不定期に開催させるのではないかと囁かれたこともあった。だが、そんな憶測を振り払うかのように、神戸山口組では今年に入ってからも、これまで通り毎月8日に定例会を開催している。

 今回の定例会の席上、二代目西脇組・宮下和美組長が新たに執行部入りを果たしたことが告げられ、舎弟頭補佐に就任したことが発表された。

「これで舎弟頭補佐が3人となった。だが、舎弟頭だった池田孝志組長(池田組)が最高顧問に就任したことで、今も舎弟頭が空席のままだ。近々、舎弟頭が決まるのではないか」(神戸山口組関係者)

 舎弟頭とは、組織のトップである組長の弟(=舎弟)の筆頭となる存在で、組織内でも重鎮となる存在だ。今回の人事は、その舎弟頭を決める布石ではないかと、この関係者は話す。

 定例会では、そのほかには特に重大な通達事項などはなかったといわれているが、前日に何者かによって兵庫県尼崎市内で襲撃された三代目古川組・古川恵一総裁【参照記事:神戸山口組幹部襲撃事件が発生】の代理として、三代目古川組若頭が出席していたことが捜査関係者によって明らかにされている。

「定例会では、前日の古川総裁襲撃事件について議題にこそ上がらなかったようだが、古川組若頭が姿を見せたことのインパクトは強いはず。この若頭は武闘派として名高く、任侠山口組傘下の古川組でもこの若頭に物を言える幹部はそうそういないのではないか」(地元関係者)

 初代古川組の内紛で長期服役を余儀なくされていたこの人物は、筆者の地元、尼崎ではあまりにも有名な人物である。昨年、長期服役を終えた際には、その動向に尼崎周辺で活動するほとんどのヤクザが注目していたほどだ。

 そうした矢先の昨年4月に任侠山口組が結成され、その波紋を受けるかたちで二代目古川組も分裂。その際に、この古川組若頭は神戸山口組傘下の古川組に復帰していた。

 別の関係者の話では、この日に本部長から若頭へと就任を果たしたばかりだという情報もある。総裁襲撃できな臭くなるかと思われていただけに、武闘派幹部が定例会に代理出席したことで、無言ながらも大きな存在感を内外に示したともいえるのではないだろうか。

山健組に加わった伝統ある組織

 神戸山口組の定例会4日後の12日には、神戸山口組中枢組織である四代目山健組が神戸市花隈にある通称「山健会館」で定例会を開催している。同ビルは、捜査筋でさえ「自主的に閉鎖されたようだ」と口にしていただけに、意表を突く開催場所となった。

 その定例会に出席するために、同ビル前で山健組幹部らに出迎えを受けた組長がいた。

 この組長とは、三代目山口組最高幹部で「ボンノ」の愛称で一世を風靡した菅谷政雄組長率いる菅谷組傘下で、「北陸の帝王」と呼ばれた川内弘組長の川内組の伝統を受け継ぐ平山組・平山満組長だ。

 平山組長は、二代目体制となった川内組で若頭を務めた経歴があり、二代目川内組解散後は、その勢力を保持したまま地元組織に加入。つい先頃、渡世から引退していたといわれていた組長だ。

「二代目川内組・根本辰男組長は、山健組最高幹部から五代目山口組体制で直参へと昇格している。いうなれば、山健組の一門だ。その後、六代目山口組では幹部まで務めていたが、自身の引退をめぐって、当時六代目山口組執行部と対立。結果、引退ではなく破門されることになった。その処分を不満に思う勢力が多かったことも、神戸山口組が立ち上がった一因と指摘されており、その根本元組長が先頃死去されたことで、渡世から身を引いていた平山組長が四代目山健組のために、もう一度現役へと復帰したのではないか」(四代目山健組関係者)

 平山組長は今回、四代目山健組に舎弟として加入することになった。映画のモチーフにもなるほどの存在感を発揮していた「北陸の帝王」の伝統が今後、山健組の中で脈々と受け継がれていくことになった。

 そして九州では、これまで噂されていた浪川会の代替わりが現実味を帯びてきている。

「すでに盃の日取りまで決定しており、4月上旬には二代目浪川会が発足される可能性が高まってきた。ただ、すでに引退されている先代の村神長二郎会長の容態がすぐれないと聞いている。場合によっては、継承が延期される可能性もあるが、浪川政浩会長が総裁となる二代浪川会が始動しようとしているのは間違いない」(地元関係者)

 浪川会は、三代目道仁会と袂を分かった九州誠道会を前身とする組織で、両団体の抗争はまさに熾烈を極め、九州誠道会は当局から初の特定抗争指定暴力団(抗争状態にあり、市民の生命・身体に重大な危害を加えるおそれがある組織)とされていた過去がある。その抗争に終止符を打つかたちで、九州誠道会は2013年6月に解散届を提出。その勢力は新たに浪川睦会として引き継がれ、現在の浪川会となっている。

「浪川会長の名は九州だけでなく、極道界ではいわゆる全国区の親分だ。神戸山口組との関わりも深いといわれており、今後の動向が注目されている」(神戸山口組関係者)

 警察当局からの弾圧が激しく続くヤクザ社会。だが、水面下では確実に、それぞれの組織が動き出しているといえるだろう。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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