怒りを収めさせるテクニック

 西新宿に事務所を構える「ファミリーロマンス」でも、謝罪の代行を引き受けている。相談・依頼は年々増えていて、謝罪代行のニーズの高まりをうかがわせる。主に都市部からの依頼が多いという。

 さまざまなケースに対応するが、支払い遅延などの金銭がらみは、詐欺に利用されるおそれがあるため受け付けていない。ビジネスの場合は、「自分の失敗を代わりに謝罪してほしい」という依頼が中心。まれに、依頼主も現場に同行することもあるという。

「失敗した本人に成り代わることが多いのですが、怒られる張本人(自分)役を当方に依頼し、本人はその上司役として同行したこともありました。ビジネスシーンでは、誠意を伝えることが大前提。スーツを着るのはもちろん、菓子折も持参します」(ファミリーロマンス)

 謝罪の際に用意する菓子折は、虎屋(とらや)のような有名ブランドで、価格は5000円以上のものを選ぶという。

「また、浮気のケースであれば、たとえばご主人が浮気した場合、奥さんは怒っていて感情的になりやすいものです。そのときは浮気相手役として女性スタッフが向かいますが、『この人が結婚していたなんて知らなかった!』と、依頼主であるご主人に対して、あえて思いきり怒ることもあります。怒りの対象である浮気相手が逆に怒り出すと、奥さんはきょとんとしてしまうことが多く、こうした心理的なテクニックをうまく使います」(同)

 こちらも依頼主から困りごとをヒアリングし、そのうえで数パターンを用意して事前にリハーサルを行うそうだ。

 相手方への面接謝罪は両社とも2万円からで、この基本料金に代行内容や拘束時間、出張費などが上乗せされるので、さらに高額になるようだ。

「怒られたくない」という気持ちから、高いお金を払ってまで業者に謝罪を代行してもらう人がいるからこそ成り立つサービス。現代の若者や子どもは「怒られ慣れていない」という指摘も多いため、今後ますます需要が高まっていくのかもしれない。
(文=OFFICE-SANGA)

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