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JR新幹線、「静岡空港駅」設置が現実味…「首都圏第3空港」構想

文=小川裕夫/フリーランスライター
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JR新幹線、「静岡空港駅」設置が現実味…「首都圏第3空港」構想の画像1東海道新幹線(「Wikipedia」より/JobanLineE531)

 東海道新幹線は、JR東海の超ドル箱路線として知られる。JR東海は系列会社も含めると鉄道事業・不動産事業・小売業など、さまざまな分野に進出しているが、本業でもある鉄道事業のシェア7割以上を東海道新幹線が占めている。まさにJR東海は「株式会社 東海道新幹線」と表現できるだろう。

 JR東海は、東京-大阪を最速で結ぶ「のぞみ」にリソースを集中させている。なぜなら、乗客の大半は東京-大阪の利用が占めているため、各駅停車の「こだま」、そして「ひかり」よりも「のぞみ」を大量に運行したほうが効率的に稼ぐことができる。

 東海道新幹線「のぞみ」は東京駅を出発すると、品川駅、そして新横浜駅に停車する。新横浜駅の次に停車するのは、愛知県の名古屋駅だ。静岡県には停車しない。静岡県内には、東から熱海駅・三島駅・新富士駅・静岡駅・掛川駅・浜松駅の6つがある。静岡県は、横に長い。そのため、東名高速道路を走っているドライバーや在来線の東海道本線利用者からは、「いつまで走っても終わらない静岡県」などとも揶揄されてきた。

 そうした地形的な事情もあり、「静岡県はJR東海に対して静岡県に『のぞみ』を停車させるよう要望していました。それが無理なら、せめて『ひかり』の本数を増やすように求めていました」と語るのは、静岡県の職員だ。6つも新幹線駅を擁しながら、「のぞみ」がまったく停車しない。そんな状況に、静岡県の政財界は長らく頭を痛めてきた。

 JR東海が「こだま」や「ひかり」の運転本数を削減し、静岡県を素通りする「のぞみ」の運転本数を増やすことを発表した際、静岡県の石川嘉延知事(当時)は「静岡県を素通りする新幹線には課税する」と怒りを露わにした。「のぞみ」が静岡県をスルーする問題は、静岡県にとって決して容認できない問題であり、JR東海が「のぞみ」シフトを鮮明にすることは、静岡県全体の経済・ポテンシャルにもかかわる話だ。

首都圏第3空港

「のぞみ」が停車しないとはいえ、静岡県は東京からも近く、静岡駅から「ひかり」で約2時間しかかからない。東名高速を利用しても、約2時間半~3時間。近年では熱海や沼津といった静岡県東部から東京へと通勤・通学する県民も増えている。決して静岡県は交通の便が悪いわけではない。

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