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世界では主軸の風力発電、日本では「ガラ空き」の送電線を使えずまったく普及しない理由

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 電力会社の言い分は、「契約している発電設備の分は稼働していなくても空けておく必要がある」というものだ。送電線の利用実態とは関係ない。原発や火力発電所が動かず送電線が空いていても、新規参入の再生エネ事業者は利用できない制度上の不備があるのだ。その結果、日本の送電線関連費用はドイツの約3倍にも上る。

地熱発電の資源量は世界3位の日本


 遅ればせながら、経済産業省は空き容量を見ながら既存の送電線を有効に利用する英国モデルにならう取り組みを始めた。まだ試験段階の洋上風力発電も、普及に向け30年までに全国5カ所に「促進区域」を設ける新法案を今国会に提出する方針だ。風力の買取価格も太陽光並みに引き下げる。

 洋上風力は、海上に浮かせたり海底の基盤の上に建てたりした風車で発電し、海底ケーブルで電力を送る仕組み。候補地として、試験中の福島に続き青森、秋田、長崎の沖合が有力とされる。

 とりわけ注目されるのが、実証実験に入った福島沖の浮体式洋上風力発電だ。世界最大規模の3基の風車と浮体式洋上変電所を順次設置し、本格導入を目指す。成功すれば、福島第一原発事故で壊滅した福島・浜通りの地域経済復興のための「福島イノベーション・コースト構想」実現への大きな一歩となる。


 他方、地熱発電は太陽光や風力とは違い、天候に左右されないのが強みだ。日本の地熱の資源量は米国、インドネシアに次ぐ世界3位。地熱発電用のタービンでも三菱日立パワーシステムズ、東芝、富士電機など日本企業が世界シェアの大半を占める。

 しかし、候補地の大部分は国立・国定公園や温泉地で、発電の適地は見つかりにくい。目下、国は埋蔵調査の段階だが、大規模な開発が難しいのなら、温泉地向けなどに小規模発電を広げる工夫が必要だ。

 再生エネを普及させ、地球温暖化を抑える低炭素社会を実現するには、高コスト構造や運用の壁を解消する規制改革、事業に参入しやすくする法整備が欠かせない。
(文=北沢栄/ジャーナリスト)

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