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セブン、なぜUR団地内にコンビニ出店?宅配や「身の回りの悩み解決」で高齢者を救済へ

構成=長井雄一朗/ライター

――かつて、高度経済成長による住宅不足を解消するために、URの前身である日本住宅公団が誕生しました。当時建設された団地に入居した方が、今は高齢化しているのでしょうか。

諸隈 団地によってはそういうこともありますが、お住まいの方の流動性にもよりますので、一様に高齢化が進行しているというわけではありません。しかし、居住者の世代がある程度偏っている場合、団地によっては高齢化が目立ちます。それは、東京23区内も例外ではありません。

事前調査で高齢者向け商品を充実

――コンビニ4社の反応などはいかがでしょうか。

諸隈 試行店を展開しているセブン-イレブン・ジャパンさんをはじめ、各社と打ち合わせを行っている段階です。試行店では、出店前に居住者にアンケートを行い、その結果を品揃えに反映させたところ、居住者や周辺住民の方々から好評を博しました。

 アンケートなどで要望をうかがったことが売り上げにつながっていることから、当初は「ここでは売り上げ的に難しいな」と考えられていた場所であっても、たとえばアンケートを実施することで「品揃えを充実させればいけるかもしれない」という意識に変わられるかもしれません。

――そのアンケートを行った結果、試行店では高齢者向けの商品を充実させているようですね。

諸隈 さまざまな試行的な取り組みを実施しています。まずは、アンケートに基づいた品揃えの充実。また、団地の自治会の新聞を店舗に掲示したり、店の前にテーブルを置いて懇談の場を提供したりしています。

 こうした取り組みによって、団地内のコミュニティ活性化に寄与することができ、お店も団地の中に溶け込んでいます。利用するのは高齢者の方であったり、時間帯によってはお子さんたちがテーブルで雑談していることもあり、年齢層はさまざまです。いずれにしても、居住者の方々に喜ばれていると思います。

――歩きにくくなった高齢者向けに“御用聞き”のサービスも展開していますね。

諸隈 今、コンビニ各社はさまざまなサービスを展開しており、いろいろと工夫もされています。試行店でも、配達サービスで自宅を訪れた際にご要望などをうかがう施策を積極的に実施しており、喜ばれているようです。

――高齢化は、これからますます進行します。試行店は、未来のコンビニの姿を先取りしたように思えます。

諸隈 そうですね。この取り組みは、お住まいの方々や周辺の方々から喜ばれているという実感があります。今やコンビニにはさまざまな機能が集約しており、今後はよりバラエティ豊かになっていくのではないでしょうか。すでに、コンビニの一部では住民票を取得したり物流の窓口になったりといった機能を備えているようですが、社会インフラとしての機能がさらに進化して便利になっていくのではないでしょうか。

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