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豊洲市場、致命的欠陥が露呈か…主流型のトラック、使用困難のおそれ

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 また、物理的には遠くまで仕入れに行くことができる大手事業者でも、時間的なロスを考えれば仕入れは近場ですませたい。そんな心理が働くので、業者は豊洲を利用するだろう。豊洲のピークタイムは、身動きが取れない状態に陥ることが予想される。

「大田市場のキャパシティは、限界に近づいています。自治体や卸・仲卸双方から『もっと大きな市場を』という要望も寄せられています。水面下では市場拡張が検討されていますが、大田市場は拡張するスペース的な余裕がありません。今のご時世、都内で大きな卸売市場をつくることはできません。そうなると、卸売市場の数を増やすしか術はありません。食品流通の観点から考えれば、豊洲市場だけで築地市場の機能を賄うことは難しいのですから、築地市場と豊洲市場の両方を卸売市場として使うのが理想です。ところが、今の議論は築地か豊洲かの二者択一。どちらかひとつが残っても、どちらかひとつが消失してしまえば食の安定供給は崩壊します」(同)

「設計思想が20年遅れています」


 キャパシティの問題のほかにも、豊洲市場には問題がある。豊洲市場は、最新の流通事情を反映して設計されたとされている。築地市場とは異なり、豊洲市場はトラック輸送を前提にした構造になっている。しかし、昨今の物流業界では荷物の積み降ろし時間を少しでも短縮する傾向が強まっている。

 そのため、2000年前後からトラックの構造が革命的に変化した。それまで、積み荷はトラック後方から積み降ろしをするのが一般的だった。しかし、トラックの側面扉をウイング型に改造することで、フォークリフトを使って素早く・隙間なく荷物を積み込むことができるようになった。以降、ウイング型のトラックが急速に普及していく。

「コンビニ配送のトラックなどは、道路や駐車場で荷下ろしするのでスペースを多く必要とするウイング型は向きません。しかし、卸売市場やショッピングセンター、ホームセンターといった広い荷捌き場を併設している施設では、ウイング型のトラックで配送するほうが効率的ですし、一般的になりつつあります。豊洲市場はコールドチェーンを徹底するあまり、冷蔵倉庫からトラックに直接運び込むと想定して設計しているのです。そのため、流通業界では主流のウイング車の使用が困難になりました。豊洲市場の設計思想は、明らかに20年遅れています」(業界関係者)

 早朝の1分1秒を争う卸売市場において、ウイング車が使いづらいという欠陥は大きな痛手だろう。築地市場とは異なり、豊洲市場は業者が徒歩で買い物にくることは想定されていない。出入り業者は、ほぼすべてトラックを使う。そのため、トラックの積み降ろしに時間を要すれば、周辺道路だけではなく構内でも渋滞が発生する。

 豊洲市場の開場日が決まっても一件落着とはならない市場問題。まだ、迷走が続きそうだ。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)

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