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東京23区内の限界集落…豊洲、「高齢者ホットスポット」化で資産価値減少の懸念も?

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街の機能が高齢者向けに特化してしまう


――高齢者の定住化が進む一方で、若者は団地から去っていったような印象があります。

池田 住宅やマンション、団地は約40~50年にわたって維持されます。若い方は40年前の建物に魅力を感じない一方で、高齢者の定住化が進展しました。そして、高齢者の定住化が進むと、街の機能が高齢者向けに特化するようになります。

 たとえば、小児科の代わりに整骨院や整形外科が増えて、子育て世代にとって必要なベビー用品販売店やスーパーマーケットがなくなり、コンビニだけになっていく……高齢者にとって、より利便性の高い街になっていきます。

 小売店や地域医療などの施設やサービスが高齢者にとって便利になる半面、子育て世代にとっては魅力がなくなる。そのため、ますます街の高齢化が進展することになるのです。

――特に団地は、機能を特化させやすい面があるようです。

池田 仮に、ある若い夫婦が都営団地の抽選に申し込んで当たったとしましょう。しかし、いざ街を歩いてみると、あるのは高齢者向けのサービスや施設のみ。それでは、「ここに住もう」という気にならないのも当然です。

 その一方、もし高齢者夫婦が当選すれば「ここに住もう」という気になり、より街が高齢化してしまう。若い世代の流入がないまま居住者が高齢化することで、街全体の活力が失われていってしまいます。

――街は、まるで生き物のようですね。

池田 そう、街はそこに住んでいる人によって変わるのです。また、賃貸、分譲、戸建て、マンションなどのさまざまな形態の住宅が並び、子育て世代、単身者、高齢者などのさまざまな世代の人間が居住することにより、街は機能が複合化し活力が生まれます。

 しかし、街が高齢者向けの機能に特化してしまうと、機能の複合化が止まってさらに高齢化してしまいます。これが、「高齢者ホットスポット」の正体です。

 ちなみに、地方の限界集落も高齢化率は高いのですが、こちらは人口流出の問題が大きく、東京23区の高齢化とは意味合いが違います。この問題については、著書『23区格差』(中央公論新社)で触れています。

武蔵小杉、豊洲も“高齢化”する?


――高齢者にとって住みやすい環境が整うことで、さらに定住化が進みますね。

池田 そうした街は、高齢者にとって幸せな街であることは間違いありません。そのため、高齢者の定住化が進むわけです。

 東京23区の高齢化率が高い上位100地区のうち、団地型の町丁74カ所の平均定住率は23区平均(22%)の2倍以上となる47%にのぼっており、団地も大きな福祉施設などもない22カ所の町丁も同47%です。高齢化に悩んでいる街は、つまりは定住化が進んでいる街なのです。

 今も、行政はさかんに定住化を促しています。しかし、定住に価値があったのは、高度成長期で若者が次々と移動し街も活性化することができた時代です。少子高齢化が進む現在、高齢者の定住がどのような意味を持つのかを、行政は再考すべきです。

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