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JALを支える「2人の女性」

文=編集部

興銀ウーマンからJAL社外取締役に就任する八丁地園子氏

 JALは2月28日、6月の株主総会後の新役員体制を発表した。社外取締役に八丁地園子氏が就任する。八丁地氏もまた、“ガラスの天井”を突き破ってきた女性だ。女性リーダーのロールモデル(お手本)といわれている。

 津田塾大学学芸学部数学科を卒業し1972年、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。プログラマーとしてシステム開発に携った。当時の銀行業界では女性は5年程度で寿退社するのが普通だったが、興銀は男女を問わず意欲ある人材にはどんどん仕事を任せる社風だった。

 1986年、男女雇用機会均等法の施行を機に、上司からの勧めで総合職に転換した。金融商品の開発や営業部門ではコーポレートファイナンス業務でキャリアを積み、30代後半には管理職に就いた。子どもが小学校~中学生の間に3年間、英ロンドンへ単身赴任した。

 その後、子会社のIBJ International副社長、興銀リース執行役員を経て、興銀グループのリスクコンサルティング会社、共立リスクマネジメントのシニアコンサルタントになった。

 05年、明治大学大学院に入学し、MBA(経営学修士)を取得した。時に55歳。仕事(ワーキング)と家庭(ママ)を両立させながらMBAに挑戦したことから、“ワーママ”としてメディアの注目を浴びたが、その後、父母の介護で一時、職を離れた。

 しかし、向上心旺盛な興銀ウーマンだった彼女を経済界は放っておかなかった。

 八丁地氏は09年4月、「ホテル椿山荘」「箱根ホテル小涌園」「ワシントンホテル」などを運営する藤田観光に執行役員として迎えられ、経営企画を担当した。

 藤田観光が打ち出す再生計画の発表を、常務取締役企画本部長になった八丁地氏が行った。東京・新宿歌舞伎町の新宿コマ劇場および東宝会館の跡地に建設する複合商業施設「新宿東宝ビル」の発表の席には、藤田観光からは八丁地氏が出た。都内最大級のシネマコンプレックス「TOHOシネマズ新宿」と藤田観光が運営する1030室のホテル「グレイスリー新宿」が入居している。

 藤田観光が経営する外資系の「フォーシーズンズホテル椿山荘東京」を、和をアピールする「ホテル椿山荘東京」にブランドを変更する会見も八丁地氏が仕切った。

 藤田観光顧問に退いた八丁地氏は17年4月、母校の津田塾大学学長特命補佐(戦略推進本部長)に就いた。

 八面六臂の大活躍をする八丁地氏をJALは社外取締役に迎える。

 JALの新規投資や路線開設には国土交通省の厳しい目が光ってきたが、その足かせが外れ、戦略の選択の自由度が格段に増した。そこでどんな成長戦略を打ち出すか。銀行にいたこともあり、金融に明るい戦略アドバイザー役に期待がかかる。両親の介護もしており、女性のライフイベントを多く経験しているのも強みだ。時代の要請で、要介護者にも楽しく旅行してもらうといった弱者の視点がエアラインに求められている。
(文=編集部)

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