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南清貴「すぐにできる、正しい食、間違った食」

糖尿病日本一の香川県「糖尿病予防レシピ」、かえって患者増加の恐れ?

文=南清貴/フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会代表理事

 日本中のあちこちに呼ばれ、話をさせていただく機会を頂戴し、本当にありがたいことだと感謝しております。なかには、この連載をずっと読み続けてくださっている方も多くいらっしゃいます。今後ともよろしくお願いいたします。

 時には、駅や空港までお出迎えにいらして、講演会場まで車で送っていただくこともあります。そんな折、車の窓から見える景色が気になることがあります。それは、道路の両脇の畑です。明らかに荒れ果てて、何も栽培されていない様子。そして聞いてみると案の定、耕作放棄地なのです。

 日本における耕作放棄地の面積は、ついひと昔前には「ほぼ埼玉県と同じ」といわれていましたが、いつの間にか「岡山県と同じ程度」といわれるようになりました。つまり、増えているのです。農業に従事する方々の高齢化なども問題になって久しいですが、日本の人口減少と同様、食い止める方策はないようです。これは両方とも後々、この国に重大な影を落とすことになるのですが、今はまだ気づいている人は圧倒的に少数です。

 野菜に関しては、拙著『じつは危ない野菜』(ワニブックスPLUS新書)に詳述しているので、ご参照いただければと思います。

糖尿病日本一の香川県「糖尿病予防レシピ」、かえって患者増加の恐れ?の画像2

 また、栽培されている野菜の栄養価も、以前と比較して落ちていますし、野菜の摂取量そのものも落ちています。要するに、日本人は野菜不足なのです。あえて申し上げておきますが、たんぱく質不足ではなく、野菜不足です。そして、野菜不足を実感している人は、全体のなんと70%以上もいます。

 そのなかには、無駄とも知らずに、野菜不足を補うために野菜ジュースを飲んでいる方や、サプリメントをせっせと摂っている方もいるでしょう。これは笑い話ではなく実際にあったことですが、「自分の子供が野菜不足だと思うので、積極的にポテトチップスを食べさせるようにしている」というお母様がいらっしゃいました。「そんなバカな」と言いたいところですが、事実です。野菜、ひいては食べものに関しての知識が、そんな程度の人が大勢いるのです。そのため、子供が生活習慣病になってしまうのです。

南清貴

南清貴

フードプロデューサー、一般社団法人日本オーガニックレストラン協会
代表理事。舞台演出の勉強の一環として整体を学んだことをきっかけに、体と食の関係の重要さに気づき、栄養学を徹底的に学ぶ。1995年、渋谷区代々木上原にオーガニックレストランの草分け「キヨズキッチン」を開業。2005年より「ナチュラルエイジング」というキーワードを打ち立て、全国のレストラン、カフェ、デリカテッセンなどの業態開発、企業内社員食堂や、クリニック、ホテル、スパなどのフードメニュー開発、講演活動などに力を注ぐ。最新の栄養学を料理の中心に据え、自然食やマクロビオティックとは一線を画した新しいタイプの創作料理を考案・提供し、業界やマスコミからも注目を浴びる。親しみある人柄に、著名人やモデル、医師、経営者などのファンも多い。

『じつは危ない野菜』 安心安全、そして、おいしい野菜を選び方、食べ方を知ることは、自分を家族を守ることにつながるのです。 amazon_associate_logo.jpg

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