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平林亮子と徳光啓子の「女性公認会計士コンビが教える、今さら聞けない身近な税金の話」

住宅ローン「控除」でお金を貯める方法

文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士
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住宅ローンの借り換えをするとどうなる?

 すでに住宅ローンを組んでいても、もっと金利を低くするためにローンの借り換えを検討している方もいると思います。基本的に住宅の新築、購入のために組んだローンでないと住宅ローン控除を受けることができないのですが、次の要件を満たせば、借り換えをしても住宅ローン控除を受けることができます。

・新しい住宅ローンが、当初の住宅ローンの返済のためのものであることが明らかであること
・新しい住宅ローンが10年以上の返済期間であるなど、住宅ローン控除の要件に該当すること

 たとえば、当初の住宅ローンの返済期間が20年で、返済期間が5年目を過ぎた頃に借り換えをして、借り換え後の新しい住宅ローンの返済期間が9年だとすると、返済期間が10年以上という要件を満たさないため、借換え後は住宅ローン控除を受けることができなくなります。契約ごとに判断されますので注意しましょう。なお、借換えをしても住宅ローン控除を受けることができる期間が延びるということはなく、当初に住宅ローン控除を受けたときから「10年間」と決まっています。

 また、借り換え後の住宅ローン控除の税額控除額の計算には留意点があります。当初の住宅ローンよりも借換え後の住宅ローンの金額が多い場合は、多い部分について調整計算が必要です。具体的には、「借り換えによる新たな住宅ローン等の年末残高×借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高÷借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額」で計算された金額が、住宅ローン控除の年末残高対象額となります。借り換え後に住宅ローン控除を受ける要件は、当初の住宅ローン返済のためであることとされているため、借り換え後に住宅ローンが増えた部分については、当初家を買ったお金とは関係のない部分とみなされて、このような調整計算が必要となります。

繰り上げ返済をしたらどうなるの?

 繰り上げ返済をしたことにより、返済期間が10年未満となった場合には、住宅ローン控除の対象となる借入金に該当しなくなり、10年未満となった年分は、税額控除の適用を受けることができなくなってしまいます。さらに、10年未満とならなくても、繰り上げ返済により年間の控除額が当初の予定より減ってしまうこともあり得ます。

 控除を受けるために住宅ローンを利用するわけではありませんが、住宅ローンを利用するのであれば住宅ローン控除を最大限活用できるに越したことはありません。制度をよく知った上で、たとえば繰り上げ返済は11年後から、などという計画を立ててお金を貯めるという考え方もあります。

亮子「余談だけど、私はあまり繰り上げ返済はお勧めしないな。繰り上げ返済手数料がかかる場合もあるし、繰り上げ返済をしすぎると、家計が厳しくなって日々の生活に支障が出てしまうこともあるからね」

啓子「それぞれの状況に合わせて返済予定等の計画を立てることが、大切なポイントになると思います」

亮子「住宅ローンについては、現在の金利状況がどうなっているか定期的にチェックすることが大切。金利が下がっているときは、住宅ローンを組んでいる金融機関に『金利下がりませんか? もっと金利の低い住宅ローンへの借り換えも検討しているのですけど』って相談してみると、借り換えることなく金利を見直してもらえるケースもあると聞いたことがあるよ」

(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)

●徳光啓子
2009年 公認会計士試験合格
2011年 明治大学商学部卒業
2011年から2016年、有限責任あずさ監査法人に勤務し、主に上場企業(製造業)を中心に監査業務に携わる。
2016年から税理士法人タックス・アイズにて企業の各種税務申告業務や会計・税務コンサルティングを行う。また、同年より茨城大学にて非常勤講師として原価計算論等の講義を行う。

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