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『おっさんずラブ』今期連ドラ・ベスト1!中年男同士の珠玉の純愛ドラマ、大爆笑連発

文=米倉奈津子/ライター
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 また、大場海浜公園で大きな赤いバラの花束を持った黒澤部長が“絶叫告白”するシーンは、本話最大の見どころだ。

黒澤部長「好きです。春田が、好きでーす! 本当は、ずっと自分の心の中だけにしまっておくつもりだった。でも、写真見たよね! 見たでしょ? 春田の写真! だから、自分にもう、嘘をつくのやめようと思ってさ」

(なぜか腰を直角に曲げ、頭を下げる黒澤部長)

春田「部長、それ、なんの一礼ですか! 頭を上げてください!」

黒澤部長「俺は、結婚していて妻がいる。だから、俺がちゃんとするまで、待ってほしい! 春田! 俺に時間をくれ! ありがとう!」

(春田にバラを渡す黒澤部長)

 そしてラスト近く、病院の診察室で春田の無事を知った牧は、涙を目にためて(この表情がまた素晴らしい)「なんだよ、もう、俺、どうしようかと思たんですよ!」と春田を突き飛ばすとともに、安堵した表情を見せる。それを見た春田は若干“引いた”様子を見せる。そこに黒澤部長がこれまた泣きそうになりながら「春、春、春田……」と言って現れると、春田は慌てて「牧、牧、牧、席、外してれるか」と告げる。

 牧が診察室を出ると、黒澤部長は「痛い? バカ―!! 春田に、もしものことがあったら!」と春田の胸に顔をうずめる。すると、少し感動した春田は黒澤部長の頭をなぜながら、心の中で「なんだこれ? 何やってんだ俺?」とこぼす。

 微妙な三角関係が始まりそうな気配のなか、自宅に帰り春田がシャワーを浴びている間、牧はふと目に入った春田の営業日報ファイルを見つけ、部長コメント欄に黒澤部長が書いた「ランチミーティングしましょう」「土曜日は空いてますか?」「突然ですが、卵焼きは甘い派? 甘くない派?」などの記述を見て、春田が黒澤部長に取られてしまわないか焦る。

 そんな牧に春田は浴室から、バスタオルを忘れたので持ってきてくれるようにお願いする。言われたとおりにバスタオルを持ってきた牧は、全裸の春田に向かって、「好きだ、春田さんが巨乳好きなの知ってます。でも、巨根じゃだめですか?」と言って春田にキスをするのだが、牧野の乙女な表情と予想外の“巨根”というフレーズに、これまた爆笑。

 とにかく、全体を通じてセリフやストーリーは本格的な純愛ドラマなのだが、唯一普通のドラマと違うのは、それがすべて“男と女”ではなく“おっさん同士”という設定に置き換えられている点だ。さらに映像や演出がやけにつくり込まれていて、映し出されている顔は“おっさん”なのだが、画面全体はいちいち美しいため“おかしさ”に拍車がかかり、そのたびに笑ってしまうのだ。

 さらに、“おっさん同士の三角関係”というハチャメチャな内容にもかかわらず、田中、吉田、林が迫真の演技を見せており(3人は本当に楽しそうだ)、さらにセリフや行動は100%ピュアな恋愛に満ちていることで、アンバランス感がよりいっそう際立ち、笑いを助長する。

 素人目にも低予算でつくられていることは一目瞭然だが、人間ドラマがしっかりと描かれていて素晴らしい仕上がりになっており、23時台の深夜ドラマという放送枠ではもったいないと感じる、まさに宝石のようなドラマだ。個人的には、今クールの連ドラのなかではベスト作だと思うが、視聴者の反応はいかに。
(文=米倉奈津子/ライター)

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